ロッテのアルフレド・デスパイネ外野手(28)の特大の1発を誰よりも喜んだのは、ルイス・クルーズ内野手(31)だった。8-2の7回1死、西武岡本篤の甘く入ったフォークを振り抜くと、左中間席の最深部、外周の通路と隔てるコンクリートフェンスにぶち当てた。「どこまで飛ぶかと思ったよ」と、本人もびっくりの6号ソロだ。ベンチで目をまん丸にしたクルーズの出迎えを受けた。クルーズは、この回の先頭で11号ソロ。胸を突き合わせ、喜びを分かち合った。

 C(クルーズ)砲とD(デスパイネ)砲のアベック弾は、今季3試合目。全てに勝利している。しかも、この日はお互い2本塁打ずつで、クルーズは3安打3打点で再びリーグの打点トップに躍り出た。デスパイネは、来日2年目で最多となる5安打の固め打ち。2人合わせて、8安打4本塁打6打点と手が付けられなかった。2連勝で4位浮上の立役者となった。

 デスパイネにとって、大事な試合だった。不振から前日にスタメンを外れた。ただ、7回に代打で決勝の3点適時二塁打を放った。首脳陣の助言を受け、軸足に体重を残した打撃が戻った。「準備は常にしているけど、あの1本で楽になった」と打ち明けた。そんなデスパイネを、同じスペイン語をしゃべるクルーズもサポートする。来日が早い分、自らの経験を伝授。配球なども話し合っている。デスパイネが「同じ言語だし、仲良くしているよ」と笑えば、クルーズは「デスパイネも打ち出した。2人で貢献していきたい」と共闘を誓った。【古川真弥】