やはり丸ちゃんが打たないと! 広島丸佳浩外野手(26)が「日本生命セ・パ交流戦」で2本塁打を含む3安打2打点と暴れた。ソフトバンクを相手に、打撃不振にもがいてきたチームリーダーが意地をみせた。マルが打てばキクも打つ。キクが打てばみんなが打って今季最多の21安打で先発全員安打。チームも鬼門交流戦の勝率5割以上を6年ぶりに決めた。今日も勝って、広島に帰ろう。

 響き渡る「佳浩コール」に、丸は久々の敬礼ポーズで応えた。かつてブーイングが起こったスタンドを、真っすぐに見つめていた。13年8月9日巨人戦(マツダスタジアム)以来となる1試合2発。右に左に打ち分けた。チーム20安打目となる、9回の左翼ポール直撃弾はバットを内側から出して押し込んだ。丸らしい一撃だった。

 「1本目は入ると思わなかったですけど。2本目はうまくというか、いい感触で打てました。ああいう打撃をこれからもしていきたいですね」

 投手との間合いがとれず、変化球を空振りするケースが目立っていた。昨季3割をマークした打棒は開幕から鳴りをひそめ、2割2分台前半まで落ち込んだ。好機で打席に立つと、本拠地マツダスタジアムでブーイングが起きたこともあった。定位置だった3番は“剥奪”。明るさは失わなかったが、期するものは大きかったはずだ。

 バットのグリップにこびりついた滑り止めのカス。試合前、ベンチに座ると、はさみを使ってすべてをそぎ落とす。「少しでも残っていると嫌なんだよね」。繊細な感覚だろう。会話をすることはなく、ひたすらバットと向き合う時間がある。フォームも新井打撃コーチと試行錯誤を重ね、結果に結びつけてみせた。

 丸の不振と比例するようにチームも不振。緒方監督はかつて「いかにキクマルに頼ってきたかというところ。若いのに、どれだけあいつらに責任を背負わせているか。それも乗り越えてもらわないといけないんだけど」と話していた。8日の休日には約40分にわたって打撃を指導した。ファンもナインも指揮官も、もちろん丸自身も待ち望んだ、大暴れする丸だった。

 丸につられて21安打と打線が爆発し、これで借金は6。最下位ながらリーグ首位巨人とは4・5ゲーム差とつめた。帰り際、丸は言った。「毎日打てるわけじゃないけど、なんとか(菊池と)そういう姿勢を見せていきたい」。まだまだこれからだ。まずは今日、交流戦最終戦で、左翼スタンドに敬礼だ。【池本泰尚】