広島がシーソーゲームを制し、連敗を止めた。緒方孝市監督(46)は試合後も表情を緩めることはなかったが、起用に応えた1番菊池、2番丸、そして決勝弾を放ったライネル・ロサリオ外野手(26)をたたえた。借金は5となり、再び4位に浮上。明日4日から虎狩りで上位を狙う。

 再逆転の放物線がバックスクリーンに飛び込んだ後、緒方監督は殊勲者ロサリオを笑顔で迎えた。再昇格後初めてスタメンで使ったドミニカンが最高の結果を出した。まだ目に見えるミスが出る弱さもある。だがこよいはモヤモヤも連敗も吹き飛ばした結果こそが重要だった。借金を5とし、再び4位に浮上した。

 緒方監督 どうしても投手がきつい時期だから、野手が打って助けてあげないといけない。そういう意味で、キク、丸、ロサリオが起用に応えてくれた。

 負けても個人名を挙げて責めることのない指揮官。かわりに3タテを阻止した夜は菊池と丸の名前を挙げて評価した。調子や相性を見て丸の打順を3番から2番に上げていた。8試合連続安打の菊池とのコンビもうまくかみ合い、11安打5得点をけん引。特に前日1日に2度の得点機で三振した丸は3回に菊池とのランエンドヒットで左翼線へ先制適時二塁打を放ち、8回は左中間に運んでロサリオ弾を呼び込んだ。7月1日以来の3安打だった。

 丸 厳しいボールを我慢して、最後にうまく打てた。この1勝は大きい。次につなげたい。尻すぼみにならないように。

 チームで稼いだ4打点は1、2、3番でマークした。起用に応えて選手が躍動。前日1日にはスクイズ失敗などで敗れていながら、指揮官は攻めることをやめなかった。バント、バスター、盗塁、走者三塁でのギャンブルスタート…。ナインにも伝わり、1点リードの9回、田中の二遊間ダイビングキャッチにもつながった。ミスも出たが、それ以上に攻めた結果の逆転勝利だった。

 緒方監督 この時期はミスも多くなる。ただ広輔のプレーとか、いいプレーも出ているから。反省、指導して。これから先、勝ちにつなげられるようにね。

 エースで落とすなど波乱もありながら、3勝3敗で6連戦を終えた。明日からはマツダスタジアムに阪神を迎える。上位進出へ指揮官は負けられない戦いに目を向けた。【池本泰尚】