ソフトバンク中田賢一投手(33)がロッテ打線を8回1安打に抑え、9勝目を挙げた。初の2年連続2桁勝利に王手。今季、苦手にしていた本拠地ヤフオクドームで初の無失点投球だった。武田、バンデンハークに続くCSでの先発投手に力強く名乗り。チームはロッテ戦勝ち越しを決め、パ・リーグ全5球団に勝ち越しが決定した。
今年初めての本拠地でのお立ち台に上がると、中田はホッとした表情でスタンドを見渡した。8回で交代し5年ぶり5度目の完封こそ逃したが、三塁を踏ませぬ投球。最後まで決め球のフォークがさえた。
「ヤフオクでなかなかいい投球ができていなかったので、これをきっかけにして、次もしっかり投げたい。何とかあと1勝、もぎ取りたい」
昨年7勝3敗だったヤフオクドームで今季はここまで3勝4敗、防御率4・68。だがCSは、本拠地で投げなければならない。「まだCSもどういう投手陣でいくか分からないので、そこに入り込むためには1試合1試合大事になってくる」。今後を考えても、本拠地で結果を残しておきたかった。
優勝が決まった17日にビールかけを終えると、顔を真っ赤にし、観戦に訪れていた友紀夫人とほろ酔い気分で帰途についた。「酒が飲めなくて、アルコール消毒だけでも真っ赤になるんです。空気だけで酔っちゃいました。風呂に戻っても僕とウッチー(内川)だけ真っ赤でした」。そのわずか2日後に、今季最高のピッチング。7回1失点だった前回12日の楽天戦に続き、下半身を使った納得のフォームでアウトを重ね、指揮官の信頼度を上げた。
「10勝を目指してやってほしい。2桁と1桁は違う」と話していた工藤監督も「無駄な力が抜け、大きく腕が振れていた。ロッテだけでなく、どこにでもいい投球ができる」と目を細めた。CS、そして日本シリーズの登板チャンスを大きくたぐり寄せる快投だった。【福岡吉央】



