ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(31)が、14日から始まるCSファイナルステージに向けて完全復活を猛アピールした。みやざきフェニックスリーグの韓国・斗山戦に「5番・左翼」でスタメン出場。7回に内角直球をフルスイングすると、打球は両翼95メートルの左翼フェンスを軽々と越え、場外へと消えた。これがCS前の最終戦とあり「最終戦で結果が出て満足。CSに向けて手応えをつかめた」と納得顔だった。

 次打席の6点リードの8回1死一、二塁からは、中堅フェンス直撃の適時二塁打。2点リードの3回1死一塁でも、左翼線を破る適時二塁打を放った。5打数3安打3打点。この試合のMVPに選出され、ホームラン賞として芋焼酎・白霧島を贈呈された。「ショウチュウスキネ」と日本語で冗談を飛ばすなど、上機嫌だった。真中監督も「ボールのチョイスもできていた。CSの試合につながってくれれば」と目を細めた。

 打撃不振の中、結果を出した。宮崎には「打撃の調子を上げたい」と真中監督に直訴し、チーム本隊よりも2日早く入った。前日10日の試合では4打数無安打。試合後に、志願の特打を行うなど必死だった。「もちろんタイミングはまだ完璧とは言えないけど、何とかチームの勝利に貢献できるプレーをしていきたい」。戦う相手は今日12日に決まる。バレンティンは「相手はどこでも関係ない」と力強く言い切った。頼りになるキングが、戻ってきた。【栗田尚樹】