ソフトバンクが山田斬りで日本一へ王手をかけた。「SMBC日本シリーズ2015」第4戦。先発の摂津正投手(33)が、前日27日の第3戦で3打席連続アーチを放ったヤクルト山田哲人内野手(23)を2打席連続見逃し三振に仕留めるなど、自慢の投手陣が燕のキーマンを無安打に封じた。今日29日、工藤公康監督(52)就任1年目での日本一の舞いへ、一気に決めにかかる。

 摂津が、エースの意地で山田に向かった。初回の対戦こそ四球で歩かせたが、3回1死一、二塁のピンチでは内角低め直球を投げ込み見逃し三振に仕留めた。5回も見逃し三振。今度は外角いっぱいに直球を投げ込んだ。前夜の3本塁打のうち、2本は直球だった。その球種を強気に攻めた。「最初から飛ばして、いけるとこまでいこうと思った。(山田には)一打者として臨んだ。本当に勝ってよかったよ」。連覇に王手をかけ、笑顔を見せた。

 工藤監督はこの日、細川をスタメン捕手で起用。第3戦までは高谷だったが、シーズンでも摂津とコンビを組んできたベテランに任せた。経験豊富なバッテリーは、本来の持ち味であるシンカーに加え、キレのある直球を勝負球に加え的を絞らせなかった。

 摂津は6回に2安打と1四球で無死満塁のピンチをつくって降板した。「最後は、追い込んでいたのにストライクで勝負にいった点が悔やまれます」。納得の出来ではなかったが、最後までリードを守り切った。

 6月にはプロ入り7年目で初めて、不調で2軍に降格する屈辱を味わった。10代の若手らと一緒に練習に励み、自分を見つめ直した。3連勝で終わったCSファイナルステージでは出番がなかったが、ここ一番で大きな仕事をやってのけた。

 工藤監督も、山田を封じた価値を大きく評価した。「さすがだ。修羅場をくぐってこないとこういう投球はできない。山田に対して、コース、高低をきっちり(投げた)。すべてを打てるわけじゃない。いい抑え方をしてくれた。あの後もタイミングが狂っていた」。摂津に続く救援陣も完璧に抑え、敵のキーマンを4打数無安打と沈黙させた。

 8失点で敗れた前夜の試合後、工藤監督は「甘くないとあそこまで飛ばされない。2、3、4番への意識が足りなかった」と厳しい言葉を並べていた。シリーズの流れを変えかねない3被弾だった。だが、摂津の山田斬りで再び流れはきた。もう憂いはない。工藤監督が宙に舞う…2年連続日本一を勝ち取る瞬間は、もう目の前だ。【福岡吉央】

 ▼ソフトバンクが2年連続日本一へ王手をかけた。2勝1敗から王手は14年ソフトバンクに続いて23度目。過去22度のうち21度優勝しており、V確率は95%。V逸は55年南海だけで、56年西鉄からは19度続けて優勝。97年ヤクルトからの6チームは次の第5戦も勝って日本一を決めているが、今年のソフトバンクはどうか。第4戦は初回に李大浩の適時打で先制。今シリーズの3勝はすべて先取点を挙げた試合で、シリーズで先制した時のソフトバンクは11年第3戦から11連勝だ。