ヤクルト山田が得意の黒田から豪快な1発を放った。0-0の2回先頭でツーシームをバックスクリーンへ運んだ。昨季の対戦成績が20打数10安打1本塁打と好相性だった。2位以下に10本差をつけるリーグ独走の26号ソロだ。試合後は「打てたことは良かったけど、試合に負けたので何も…」と言葉少なだった。4番として3打数2安打1打点と打線を引っ張ったが、チームは逆転負け。自力Vの可能性が消滅した。

 高校3年時は、今の姿を想像できなかった。10年に日米親善高校野球の代表として米国に遠征。チームでドジャースタジアムに訪れ、当時ドジャースに在籍していた黒田と対面した。直接の会話は実現しなかったが、サインボールをもらい、オーラに圧倒された。「これがメジャーなのか。日本人ですごいな」。あれから6年。ミスタースワローズの象徴である背番号「1」を背負う球界の顔となった。憧れだった人に、成長した姿を見せた。

 主軸の活躍も打線がつながらず、この1点止まり。真中監督は「自力優勝は消滅したけど、まだ上を目指すチャンスはある。これからの戦いが大事になる」と前を見据えた。【栗田尚樹】