巨人大田泰示外野手(26)が、4番途中交代のピンチを救った。初回に左すねに自打球が直撃した長野の代打として3回から途中出場。1-1の7回2死二、三塁で左中間に2点適時三塁打を決めた。レギュラー定着を期待されながら今年でプロ8年目。自分が信じる打撃の型を貫いての決勝打で、チームの連敗を阻止した。首位広島も勝利したためゲーム差は10のままだが、3位に浮上した。
低重心のどっしりとしたフォームで振った。同点の7回2死二、三塁。大田は打席に入る前、阿部から「お前で勝負してくるんだぞ。打って来い」と言われ、目の色を変えた。「気合が入った」。フルカウントから、前の2打席で打ち損じた井納のフォークを芯で捉え、左中間を破った。「本塁打はいらない。芯で当ててヒットにするという気持ち。うまくいった」と三塁ベース上で雄たけびを上げ、喜びを表現した。
交流戦明けの6月下旬からノーステップ打法を導入した。ロッテ3連戦でパ・リーグ首位打者の角中にくぎ付けになった。「バットに当たらないと始まらない」と打撃フォームを見つめ直した。左足を上げるフォームを捨てた。負ければ前半戦の2年連続負け越しが決まる一戦で、新フォームで結果を出した。
全ては自分が生まれ変わるための決断だった。8年前。ドラフト1位で入団してから昨季まで、原前監督の下でプロ生活を送った。和製大砲と期待されながらも、昨年までの通算本塁打は5本。周りの声を聞き過ぎ、自分の打撃スタイルを見失うこともあった。新監督の前では「我を強くだす」とより強く意識し、2016年をスタートさせた。
大田 変わるチャンスだと思った。だから「我」をしっかり持って貫き通すと決めたんです。やっぱり自分の考えが変わればバッティングも変わる。意志を貫き通すということをやっていかないといけない。
春季キャンプから、心の芯がぶれることはなかった。自分1人で考え、結果を出すために出した答えがノーステップ打法。長野の代役として放った貴重な1本となった。「自信になる。この1本は自分のきっかけになるし、きっかけにしないといけない。勝負どころでの準備、頭の中も工夫しないといけない」。己を貫いた考えが形に表れた。【細江純平】



