前を向け。広島大瀬良大地投手(25)が7回3安打無四球1失点と好投した。一時は味方の逆転で勝ち投手の権利を得るも、9回に同点に追い付かれたことで自身2勝目は泡と消え、チームも延長戦で敗れた。開幕から登板7試合。いまだに勝ち星は1勝と、先発の柱と期待される右腕にとって、試練のときは続く。それでもこの日の投球には、次につながる光があった。

 手にしかけた白星が土壇場ですり抜けながらも、大瀬良は懸命に前を向いた。7回を投げ、3安打無四球1失点。代打を出された7回裏の攻撃で味方打線が逆転してくれた。登板7試合目であと1歩のところまで来た2勝目は、9回表に守備の乱れから同点に追い付かれて消えた。

 「やりたいことが試合の中でもできて、感覚良く投げられた」

 前を向く投球だった自負がある。上体の力で投げていた形からバランスだけを意識。歩幅を半足分縮めた。カットボールやスライダーなどの変化球を投げる瞬間の力みも消えた。立ち上がりからストライク先行。変化球を増やし、DeNA打線に的を絞らせなかった。5回まで許した走者は安打と失策の2人のみだ。