まさかの連続だった試合のフィナーレは、やはり「まさか」だった。延長10回裏2死満塁、ヤクルト山田の決勝点はストレートの押し出し四球。中日笠原に対し「見ていこうと思っていました。打って勝ちたかったけど、チームが勝ててよかったです」と“貫禄の押し出し勝ち”を振り返った。

 最下位争いをするチーム同士。最後はサヨナラ勝ちしたが、9得点中でまともな得点は両外国人の2ラン2本だけ。山田の押し出し四球が2得点。失策絡みの得点が2。そして投手の原樹の適時打が1本。5得点がどさくさ紛れの得点だった。守りでも、福田に3ランを2本も浴びた。真中監督は「細かいミスやエラーもあった。不用意な球をホームランされているし、まだまだだけど、なんとか勝てたから」と早口でコメントした。

 負ければ自力CS進出が消滅した一戦。それでも山崎、奥村の若手がスタメン起用に応えた。来日3戦目のリベロも初アーチを放つなど、新しい戦力が出てきた。「うまく起用して、いろいろな選手が出てレベルを上げてくれればいい」と真中監督。4時間半を超える乱打戦で、チームが浮上するための光が見えてきた。【小島信行】