ソフトバンク守護神サファテがおとこ気の投球でMVPに輝いた。来日してシーズン、ポストシーズン通じて初めて3イニングを投げ「もう全部力を使い切っていたので、勝つしかなかった。もう何も残っていないよ」と会心の笑みを浮かべた。

 1点ビハインドの9回からマウンドへ。3人で仕留めると10回もマウンドへ向かった。一塁へのけん制悪送球で無死二塁と自ら招いたピンチにも、ロペス、筒香を連続三振。宮崎を敬遠し、最後は柴田を一ゴロに仕留め、ド派手なガッツポーズを繰り返した。

 3イニング目の11回もマウンドに上がり、3回打者12人、36球を投げ2安打無失点。引き揚げる際には派手なパフォーマンスでファンを鼓舞し、サヨナラへの流れをつくった。

 中継ぎ陣の「主将」的存在で、誰よりもチームを愛している。「愛すべきチームメートと愛すべきファンに囲まれて最高。来年もまた同じ気持ちを味わいましょう」。今季パ・リーグ新記録の54セーブを挙げたキングは、日本シリーズでも主役の座を譲らなかった。「疲れました。監督にはこれっきりにしてもらいたい」。最後はとびっきりの笑顔で締めくくった。【浦田由紀夫】

 ▼サファテが外国人選手10人目、外国人投手では64年スタンカ(南海)以来53年ぶり2人目のMVP。投手で1勝のMVPは75年山口高志(阪急)86年工藤公康(西武)に次いで3人目。すべてリリーフ登板のMVPは82年東尾修(西武=2勝1敗1セーブ)以来2人目だ。投球5回での受賞は、13年美馬(楽天=11回2/3)より少ない最少投球回だった。