稲葉ジャパンの攻撃型オプションは、「2番DH近藤」だ。宮崎合宿3日目の11日、稲葉篤紀監督(45)の初陣となる「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(16~19日、東京ドーム)に向けて、「幻の4割打者」日本ハム近藤健介捕手(24)を2番で起用する可能性を示した。今日12日の対外試合初戦、日本ハム戦は広島薮田和樹投手(25)巨人田口麗斗投手(22)DeNA今永昇太投手(24)の先発3本柱で継投する。

 稲葉監督は日本ハム、西武と対戦する大会前の実戦2試合で、「攻撃型」「スピード型」など、さまざまな打順やポジションを模索していく。4番の西武山川以外は、対戦相手や先発によって日替わりオーダーをテスト。その中で浮上したのが「2番DH近藤」の攻撃型オプションだ。

 今季は楽天が2番ペゲーロで躍進し、巨人も2番マギーを採用。走者を進めるつなぎ役だけではない「2番強打者論」が球界のトレンドになった。クリーンアップ候補の近藤は、今季ケガで離脱するまで打率4割をキープ。稲葉監督は「中軸もそうですが、攻撃型で2番近藤も面白いなと思う」と、実戦2試合でテストしていく可能性を示した。

 通常の1、2番候補には、DeNAで不動の1番を務めた桑原や、俊足の中日京田、西武源田らが挙がる。近藤は今季2番はなく、すべてクリーンアップで出場。ただ、昨年は16試合で2番を務めており「シーズン中もいろいろな打順を打っているので、何番でも役割を全うできるように頑張りたい」と引き締めた。

 この日の打撃練習は1カ所で、バントや犠飛、エンドランなど条件を付けて打ち込んだ。指揮官は「1球を大事にしてほしい」と実戦に向けて集中力を求めた。練習後は宮崎市内の焼き肉店で決起集会を実施。短期決戦に向けて複数ポジション制を求める布陣に「2番近藤」の攻撃型オプションを加え、実戦に向かっていく。【前田祐輔】