稲葉ジャパンを支える「6人の先発侍」の骨格が見えてきた。侍ジャパンの稲葉篤紀監督(45)が9日、楽天久米島キャンプを訪れ、米アリゾナキャンプ中の日本ハムを除く11球団の視察を終えた。初のフル代表でオーストラリア代表と対戦する「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」(3月3日・ナゴヤドーム、同4日・京セラドーム大阪)に向けて、選出済みのソフトバンク千賀に加え、楽天則本昂大投手(27)、ソフトバンク東浜巨投手(27)、DeNA今永昇太投手(24)、浜口遥大投手(22)、巨人田口麗斗投手(22)がリストアップされていることが分かった。

 稲葉監督は、国内キャンプ視察最終日となった久米島で、則本、松井らのブルペン投球に熱視線を送った。「2人の実力は知っている。この時期にあれだけ強いボールを投げられているのはすごいこと。順調にきている」と高評価した。

 稲葉ジャパン結成後初のフル代表戦になる2試合は、20年の東京五輪を見据えた土台作りとともに、若手選手の力を試す舞台と位置付けられている。全28選手中、投手陣は12~13人選出する見通し。先発投手枠は6人程度で、1試合3投手ずつが2イニング前後を任される見込みで、キャンプ視察では各投手の状態や国際大会の適性などをチェックしてきた。

 則本は、すでに代表入りが決定している千賀とともに昨年のWBCを経験し、日本球界を引っ張る存在。U24世代で出場した昨年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップからは、今永、田口が“昇格”。今永は台湾戦で6回12奪三振、田口は韓国との決勝で7回無失点と好投し、国際大会でより重要になる貴重な左腕として猛アピールした。

 東浜と浜口は、選出されれば初代表になる。東浜は、昨季のパ・リーグ最多勝右腕。2年目左腕の浜口は、6日の視察時に稲葉監督からチェンジアップが国際大会向きと高評価された。東京五輪のエース候補に挙げる巨人菅野の実力は十分把握しているため、調整優先で今回の招集は見送る見通し。メンバー発表は2月中旬の予定で、先発投手は千賀と5人を軸に最終調整を進めていくことになりそうだ。