借金3を背負っても、阪神金本知憲監督は悲観しない。節目の前半戦を終え、むしろ、闘争心はメラメラと燃えさかる一方だ。9分に及ぶ総括会見の締めくくりでキッパリと言い切る。「広島と7ゲーム差がついてますけど、まだ十分、挽回できるモノは持っていると思っているので、まったく。 最後は自分たちが勝つんだ、自分たちが優勝する気持ちで僕も選手たちも思っている」と執念をたぎらせた。

 前半戦を終え、ディフェンス面の課題を指摘。

 「内野の守備の乱れとかね」。

 後半戦のキーマンを問われ「まず、ショートあたりでコイツで行く、そう思わせてくれるくらいのね。誰か、働きっぷりを見せてほしい」。

 投打で前半戦の“MVP”を挙げた。

 「投手で言えば、やはりメッセンジャーかなと思います」。

 一方で貧打と苦しんだだけに「野手はちょっと思い浮かばないですね」と苦笑い。それでも「6月中盤くらいからの陽川くらいですか」。さらに「糸井は本当にいいところで。守備面でミスが多かったけど打つ方に関してはチーム3冠王でよくやってくれました」。

 その他の一問一答は以下の通り。

 -投手陣はリーグトップクラスの防御率だ

 特に先発陣は本当に、特に4月、5月は長いイニングを投げてくれて、本当に頼もしい限り。ちょっと6月後半から打ち込まれるシーンもあったのですが、1年を通して見れば、そういう時期も必ず来る。全体的に見れば先発陣がよくやってくれました。

 -野手陣も植田や陽川ら新顔も現れた。前半戦の手応えはどのあたりか

 野手に関しては、手応えは実はあまり感じてないんですけど、唯一挙げるとすれば、後半、陽川が本当にいいところで打ってくれた。特に2ストライクに追い込まれたあとの打撃。さらに得点圏というところで本当に、何かつかんだのかなという打撃を見せてくれた。そこはちょっと手応えを感じています。

 -課題はどこか

 就任して3年目ですが、1年目、2年目と特に若手の底上げに取り組んできましたが、なかなか、何人かの期待した選手が伸び悩んでいる。ちょっと計算外と言いますか、計算違いなところは、野手に関しては多いですね。

 -悩む若手が壁を突き破るためのポイントは

 打席での対応力といいますか。対応力、考える力だと思います。みんな体力もついてきて、振る力もかなりついてきて、そこそこ体も強くなってきたんですけど対応力に欠けているのかなと思います。

 -メッセンジャーについては9勝を挙げた

 打者に欠けている対応力、実戦力といいますか。メッセンジャーはだいぶ年齢も進んできて、球威もちょっと落ち気味なんですけど、その分を実戦力といいますか、相手野手との駆け引きとか、コーナー突いたり、低めを突いたりとか、緩急をつけたり。そのあたりのうまさといいますか。それが原因だと思っています。

 -後半戦のポイントは

 しっかり野手陣が点を取って、守ってあげるというテーマでやっていって。あとは9月の連戦ですね。特にリリーフの踏ん張りというのは、カギになってくると思います。

 -後半戦のキーマンは

 投手陣でいえば、やっぱり藤浪になってきますかね。藤浪とか、才木あたりに頑張ってもらって。野手に関しては、引き続き、陽川とか、ロサリオあたりですね。

 -後半戦のキーマンに藤浪を挙げた理由は

 彼の持っている能力と存在感とか、いままで高校を出て、10勝してきた投手ですから。それがここ2年間、うまくいっていないので、何か、やっぱり、いいときにあったものが、コントロールだとか、いろいろ課題はあると思う。それさえ、ある程度、克服していけば当然、本来なら、今年もローテーションの中心となって、回っていくべき人材だと思っています。期待して当然だと、僕は思っています。

 -藤浪への前半戦の評価は

 まだまだ、彼の持っている能力は出されていない。コントロールやクイックとか、そういう課題は解消されていないと思っています。

 -首位広島と7ゲーム差

 半分で7だからね。ちょうど74試合か。

 -広島と14試合残る

 ちょっと多いんか。3つ多いくらいか。後半、流れてな。