2回までに大量8点を奪ったロッテが、1度は西武にひっくり返されながら、打線の奮起で“再逆転勝ち”した。

5回終了時点で9-9。円陣で井口監督は「打ち勝つしかない。野手で何とか点を取ろう」と奮起を促した。すると6回、4番井上の二塁打から好機をつくり、7番藤岡が勝ち越しの右犠飛。8回にはクリーンアップの3連打などでダメ押しの3点を奪った。

両軍合わせて24安打22得点の乱打戦。打線をけん引したのは井上だった。2回の左中間スタンド最後列への20号を皮切りに、6回の二塁打、8回の右前打とサイクル安打目前。「狙ってました。抜けたら三塁打という打球を打ちました」という9回は右飛に倒れたが、5打数3安打3打点4得点の大活躍だった。

ロッテの日本人打者では13年井口監督(23本)以来のシーズン20発。昨年まで4年間で4発だった男は「井口さんの背中を追ってきたんで、打てて本当によかった」と笑顔を見せた。8月7日のソフトバンク戦での19号から約1カ月も空いたが「苦しんだ方が野球が終わったときに財産になる」と前向きに練習に取り組んできたことが報われた。

そんなメモリアルの20号だが、井上は「この前のレフトフライ(ZOZOマリンでの5日ソフトバンク戦で左翼への大飛球が強風に戻され左前二塁打となった)の方が感触は良かったです」とニヤリ。チームの嫌なムードを吹き飛ばした主砲はジョークもさえていた。【千葉修宏】