オリックス山岡泰輔投手がプロ3年目にして自身初の10勝目を手にした。

2点を先取されながらも、6回9安打2失点の粘投でチームに逆転勝利を呼び込んだ。山岡は「感謝の気持ちしかありません。納得はできなかったですけど、なんとか最少失点で粘ることができた」と振り返った。

亡き恩師にささげる1勝となった。8月上旬に東京ガスの安達公則投手コーチ(享年39)の突然の訃報が山岡に入った。「何でも話ができる年の離れたお兄ちゃんでした」。瀬戸内高校3年時の13年春、不振が続いていた時に東京ガスの練習に参加する機会があった。ブルペンでの練習中に安達コーチからアドバイスをもらい、「なんて言われたか覚えてはないですけど、その一言で調子がよくなった。そのおかげで甲子園にもいけましたね」。プロへの志望届を提出するか悩んだ際、「あの人がいるんだったら」という理由で東京ガス入りを決断した。「社会人時代があったから、今の僕があると思います」。

今後の目標について山岡は「(自分の)次のことは考えていません。チームがクライマックス(CS)にいって、日本一を目指すだけです」と決意を口にした。3位楽天まで2・5ゲーム差。シーズン終盤での逆襲へ、エースがチームを押し上げていく。【古財稜明】