中日が19日、2月の沖縄キャンプメンバーの振り分けを発表し、2年目根尾昂内野手(19)が1軍発進を決めた。

甲子園春夏連覇のヒーローとして18年ドラフト1位入団したが、昨年はキャンプ直前の故障から長い2軍生活。1軍出場も終盤の2試合2打席2三振に終わった。だが心機一転、オフから外野にも挑戦。「どんどん攻めていきたい」と意気込んだ。第1クールで予定される実戦形式練習で猛アピールし、大ブレークを目指す。

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発表された沖縄春季キャンプのメンバー。根尾の名前は1軍北谷組に刻まれていた。表情を引き締めながらも、根尾の声には喜びを含んだ張りがあった。

「(僕は)1軍に確立されたメンバーじゃない。少ないチャンスをものにしていく立場。ダメだったら下に行く。そこをわきまえた上でどんどん攻めていきたい」。

甲子園で大阪桐蔭の春夏連覇を導いたヒーローが、鳴り物入りで18年ドラフト1位で入団。「ドラゴンズジュニア」に所属していた地元岐阜出身でもあり、注目度も屈指だった。だが、昨年は出足でつまずいた。1月21日、一度は1軍キャンプ発進が発表された。だが、2日後の合同自主トレで右ふくらはぎの肉離れを起こし、2軍読谷キャンプでのリハビリ組への変更を余儀なくされた。開幕も2軍で浮上のきっかけをつかめず、ようやく1軍デビューできたのは9月29日からの最終カード阪神2連戦(甲子園)。だが結果は2試合2打席2三振に終わった。

「キャンプでゼロからのスタートにならないように積み重ねたい」。悔しさを胸に、もう失敗は繰り返さない。昨季終了後も沖縄秋季キャンプ、みやざきフェニックスリーグ、台湾アジア・ウインターリーグと、休日返上で体をいじめてきた。台湾では20年の1軍定着を期して「遊撃1本」を封印し、外野守備にも挑戦。内外野二刀流で勝負をかける。

年始も精力的だった。母校の先輩平田の誘いで米国ロサンゼルス自主トレに合流。「バット振ったり、ボールを受けるのも数をこなせた。暖かい分、追い込めた。走れましたし、体重も増えた」。年末からさらに大きくなった83キロの戦闘ボディーから2年目への自信を発散した。

春季キャンプでは第1クールから実戦形式練習が始まる。「(チャンスを)しっかりモノにして、(やってきた)内容をアピールしたい」。期待の19歳がフルスロットルで大暴れを期す。【伊東大介】