ピアス&ド派手なプリントTシャツも、中身は紳士!? ヤクルトの新外国人アルシデス・エスコバー内野手(33=ホワイトソックス3A)が26日、成田空港に来日した。両耳にピアス、眉毛もほどよい細さ。上下黒のスエットで、引き締まったシルエットが印象的だ。全身から醸し出す大物の貫禄は隠しきれない。

DeNAのリリーバー、エスコバーの親戚。そこで、呼び方を問われると「エスキーと呼んでくれ。ESKY、エスキーだよ」。シャープな存在感とは対照的に、話し方はとてもスマート。すぐにサインに応じるしぐさは様になっていて、ファンが礼を言うと「こちらこそ」と返すジェントルマン。品の良さすら漂わせた。

実力は折り紙付きだ。ロイヤルズ時代の15年に遊撃手でゴールドグラブ賞に輝き、リーグ優勝決定シリーズMVPを獲得。メジャーのショートといえば、日本人ではまねのできない守備範囲の広さと、圧倒的な強肩を誇る。「送球とステップを見てほしい。日本では全力プレー、ゴールデングラブ、チームの勝利を目指すよ」と胸を張った。

ロイヤルズでチームメートだった青木の人柄をたたえ「早く会いたい」と再会を心待ちにするなど、リップサービスも巧み。スエットの下の白いTシャツには緑色の札束がド派手にプリントされていたが、「いや、意味はないよ。朝、近くにあったのを着てきただけだよ」とニヤリと笑った。メジャー仕込みの本物の守備が目を引くが「バッティングもすごいぜ」と自信満々。今年の神宮の内野は、華やかになりそうだ。【井上真】

◆アルシデス・エスコバー 1986年12月16日、ベネズエラ生まれ。同国出身の名遊撃手オマー・ビスケルに憧れて4歳から野球を始め、16歳でブルワーズと契約しプロ入り。08年9月にメジャーデビューし、09年にはベースボール・アメリカの有望株19位にランクイン。15年に球宴選出、ゴールドグラブ賞受賞を果たし、同年にブルージェイズとのリーグ優勝決定シリーズで打率4割7分8厘、5打点を記録しMVPに輝いた。185センチ、92キロ。右投げ右打ち。

◆エスコバーの獲得タイトル 15年球宴選出、15年ア・リーグ優勝決定シリーズMVP、15年ゴールドグラブ賞。