自立の海外トレ。広島岡田明丈投手(26)が28日、米ロサンゼルスでの単身自主トレから帰国後初めて、マツダスタジアムで合同トレーニングに参加した。米国ではトレーナーと2人で一般人が使用するジムなどを利用しながら、孤独トレを続けてきた。体幹トレに重点を置き、投球につなげるための打撃練習も行ってきた。海外で一皮むけた右腕が、佐々岡新監督から期待される中継ぎでポジションを奪い取るつもりでいる。

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キャンプ地移動2日前、岡田が広島での合同自主トレに合流した。今年は佐々岡新監督から先発から中継ぎへの配置転換をすでに明言されており、セットアッパーとして期待されている。プロ入り初の1桁登板に終わった昨年から新境地で巻き返しを期す今年は、自身初の海外自主トレで始動した。新たに契約したトレーナーとともに米ロサンゼルスに飛んだ。9日から19日までの10日間、刺激的な日々を過ごした。

「いい刺激になりましたし、いいテンションでできました。昨年は結果を残せていないので、今年はチームの力になれるよう、1球でも多く投げられるようにと思っている」

練習に集中するため、孤独トレを選んだ。例年よりも開幕が早いこともあり、温暖な地を選んだ。「制球力が課題。そこを改善するのが一番」。フォームの根幹となる体幹を一から鍛え直した。「できている方と思っていたら、できない種目も多かった」と気付かされた。一般人が使用するジムで、歯を食いしばりながら土台作りに励んだ。

練習パートナーも現地で見つけ、キャッチボールだけでなく、ブルペン投球も行った。上体が突っ込みやすい悪癖を改善するために、打撃練習を取り入れた。本来は左打ちだが、「軸足に残す感覚が投球と似ている」と右打ちでマシン打撃。意識付けにつなげた。

海外トレの成果はキャッチボールから表れていた。フォームからは無駄な力みが消え、球には力強さと球威が感じられた。「だいぶ土台がどっしりしてきた。ふわふわした感覚がなくなった」。体も制球もぶれない幹はできつつある。先発でも中継ぎでも、やるべきことは変わらない。1軍枠を勝ち取るため、まずは足場を固めていく。【前原淳】

◆岡田明丈(おかだ・あきたけ)1993年(平5)10月18日、東京都生まれ。大商大高-大商大を経て15年ドラフト1位で広島入団。2年目の17年に12勝を挙げ、優勝に貢献。通算71試合、24勝17敗、防御率4・36。185センチ、92キロ。右投げ左打ち。