オリックスの大物助っ人アダム・ジョーンズ外野手(34=ダイヤモンドバックス)が17日、注目のシート打撃で驚きの行動に出た。自身初の実戦形式で山岡、山本の投じた全12球をすべて見送り、1度もバットを振らなかった。

カウント1-1から始まる勝負は、2四球2三振の結果に。「この時期にヒットを打つことは意味がない。打席でのタイミングとか、審判の(ストライク)ゾーンに慣れるのが大切。バットを振る重要性はあまりない」と意図を説明した。

それでもリーグ屈指の右腕の球筋を確認し、満足げだった。「2人が良いピッチャーだと分かった。タイミングだったり、ボールの軌道を見ようと思って、練習に参加した。彼らの投げている後ろで守ることが楽しみになった」。これには偵察した他球団007も肩すかしだった。楽天小池スコアラーが「審判にゾーンを聞いていた。シーズンに入って戸惑うことがあっても大丈夫そう」と話せば、西武杉山スコアラーは「振ってくれないとわからない…」と嘆いた。

この日のベースランニングでは率先して先頭を走った。二塁に到達すれば、ガッツポーズを繰り出し、本塁生還後は、後ろを走るランナーをハイタッチで迎え入れた。「自分自身、チームに溶け込んでる気がする。お互いの距離感が縮まっている」。18日は来日初実戦となる紅白戦に出場予定だ。バットを振るのか? と問われると「メイビー! 多分、振ります。振らないつもりでは(打席に)行かない」。メジャー通算282発男が今度こそベールを脱ぐ。【真柴健】

◆バットを振らずに練習 16日の巨人とのオープン戦で2打席連続本塁打を放ったDeNAの新外国人タイラー・オースティン内野手(28=ブルワーズ)は、12日に打撃投手今永と対した際、22球すべて見逃した。田代打撃コーチが「落合さんは実戦でもやっていた」という一流ならではの調整法で結果を出した。