アピール合戦で抜け出すのは、誰だ? 日本ハム栗山英樹監督(58)が、ルーキーたちに異例の本拠地デビューを用意した。3日巨人とのオープン戦(札幌ドーム)を、新人5投手のみで継投することに決定。新型コロナウイルスの感染拡大で無観客試合とはなったが、即戦力の期待を集める新人たちが、開幕1軍切符をかけて昨季セ・リーグ覇者に挑む。27日は、札幌ドームで全体練習を行った。

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フレッシュな5投手が相次いで本拠地デビューのマウンドに上がる。栗山監督ら首脳陣が、3日巨人戦で、ドラフト1位河野竜生投手(21=JFE西日本)をはじめとした、今季入団全投手の継投起用を決めた。厚沢投手コーチは「3日はルーキー・デーにするよ。大活躍して、栗山監督のハートを射貫く人がいるかもしれない」と、競争心をあおることで新戦力の台頭を期待した。

今季入団した10選手のうち、投手は5人。河野のほか、ここまで実戦2試合で被安打0のドラフト2位立野和明(21=東海理化)、変則右腕の同4位鈴木健矢(22=JX-ENEOS)、長身右腕・同5位望月大希(22=創価大)と紅白戦で150キロをマークした育成3位長谷川凌汰(24=BC新潟)だ。河野と鈴木健の2人は春季キャンプ中に1軍に合流し、沖縄・名護でオープン戦に登板。左腕の河野は堂々としたマウンドさばきで先発適正を示し、鈴木健は右打者のワンポイントとして、評価が上がっている。

先発として先陣を切る河野はこの日、鈴木健とともに、初めて札幌ドームでブルペン投球を行った。「これからは結果が大事」と気を引き締めると、鈴木健も「本拠地デビューと意識はしない。同期に負けたくないという気持ちで出来たら」と意気込みを口にした。

新型コロナウイルスの影響で、デビュー戦は無観客試合になるが、テレビやインターネット中継を通じて、ファンにアピールする大チャンス。チーム内の競争を勝ち抜いた先に、開幕1軍切符が待っている。【中島宙恵】