いよいよ今週金曜日にプロ野球が開幕します。例年と大きく異なるのは、シーズン序盤は同一カード6連戦を軸に日程が組まれている点です。120試合に全体の数は減りますが、タフな1年で体力勝負になるでしょう。

同一カード6連戦を戦っていくうえで考えられるポイントを3つ挙げます。ひとつ目は「水曜日が重要になる」ということ。個人的にはエース有原を、水曜日に起用するのがおもしろいと思っています。

1週間単位で相手が変わるため、初戦の火曜日は約1カ月ぶりの対戦ということになります。これはすごく難しい。初戦でしっかりと相手の状態を把握し、2戦目を取りに行く。6連戦の序盤で流れをつかみ、後半の3~6戦目に生かしていく戦い方。4勝2敗を積み重ねていきたいですね。

開幕投手の有原ですが、そのまま金曜日に固定して投げていくと、常に6連戦の後半に登板ということになってしまいます。完投能力の高いエースが週末まで出てこないとなれば、前半3試合には中継ぎ投手をつぎ込まなければならないと想定され、やりくりが大変になります。開幕後、中7日などの間隔で登板日をずらし、水曜日に持って行くことが理想だと考えます。

投手起用ではもうひとつ。「複数の勝利の方程式」の確立も必要です。宮西、秋吉ら、勝ちパターンの救援投手が、毎試合投げるわけにはいきません。当然“上がり”(休み)の日も出てくる。そうしないとシーズン最後まで持たないですから。いろいろなバリエーションの継投を準備しながら、勝ちゲームを拾っていかなければいけないでしょう。

そして3つ目は「データを超えた駆け引き」が展開されること。同じ相手と6試合戦うのは、日本シリーズをやっているようなもの。対戦を重ねることで相手の調子も見えてくるし、データ以上にグラウンドで受け取る感覚も大事になる。6試合をトータルで考えながら、ときには奇をてらった作戦も出てくると思います。