今年の公式戦は120試合。試合数が少ないと投手力の差が出にくいものだが、今年は真逆の見方ができる。開幕が6月までずれ込んだことで、日程はタイト。開幕してしばらく6連戦が続くようだし、その後も同様のペースで消化していくことになる。そのような日程では投手力が豊富な球団が有利になる。そういった点で、昨年優勝した巨人に分があるのではないかと見る。

投手力だけをみればもちろん、阪神もおもしろい。優勝も狙える。ただ、野球は投打がかみ合ってこそ。援護点が少なければ投手は気を抜けない。自軍の攻撃力は、投手陣に目に見えない影響もある。先発投手だけでなく、6連戦が続くような日程で中継ぎ陣を序盤からフル回転させては、すぐに疲弊してしまう。

練習試合では外国人野手3人を同時に起用していたが、得点方法は長打だけではない。足を絡めれば無安打でも点は取れる。2位に予想した広島は多彩な攻撃で得点する術を知っている。阪神は助っ人選手の爆発力に期待しつつも、機動力を絡めた攻撃で、いかに投手陣をサポートできるかが優勝争いに加わる鍵となるのではないか。(日刊スポーツ評論家)