新型コロナウイルスの陽性判定を受けた巨人坂本勇人内野手(31)が実戦復帰し、即安打をマークした。

楽天とのイースタン・リーグ練習試合(ジャイアンツ球場)に「1番指名打者」で出場。3点リードの2回2死二塁で迎えた第2打席。弓削のツーシームを中前にはじき返した。3日から入院し、12日に退院。わずか3日間の調整で2日の西武戦以来となる実戦へ準備し、結果を出した。

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19歳から巨人のレギュラーを張る男は、周囲の声や目にシンプルに答えを出した。2回2死二塁、坂本が実戦復帰2打席目で初となる中前適時打。同期で、若かりし頃、苦楽をともにした松本一塁ベースコーチと空中でエルボータッチした。「久しぶりの実戦でヒットが出るとうれしいですね」。クールなキャプテンも、3月22日DeNA戦以来となるHランプに安堵(あんど)と喜びがにじんだ。

3日朝に新型コロナウイルスの陽性が判明し、即日入院。自覚症状もなく、同日夜に受けたPCR検査で陰性、5日の同検査でも陰性だったが、都内の医療機関に10日間入院した。07年にプロ入りし、昨年までの13年間で重ねた安打は1884本。希代のバットマンでも未知の領域だった。動けるスペースは病室に限られ、体は元気でも調整面もメンタル面も過酷な状況を強いられた。

積み重ねた経験とプライドで、グラウンドに立った。シーズン開幕は19日で、残された調整期間は3日間。12日の退院からわずか4日だったが、目指すべき目標がある以上、レギュラー、キャプテンとして、戦いざまを見せる覚悟を決めた。今や立場は不動だが、根底にあるのは「ポジションは自分で奪うもの」。19歳の時から変わらぬ思いも体と心を突き動かした。

指名打者で3打席立ち、3打数1安打1打点。開幕まで限られた時間の中、自らの体と向き合いながら、準備だけは進める。17日の楽天との2軍戦にも出場予定で、状態次第では遊撃の守備につく可能性もある。「打つのは問題ないですが、守備の動きは切り返しとか、これから確認しながら調整していきます」。慎重かつ、1歩1歩着実にステップを踏んでいく。【久保賢吾】

 

〇…巨人阿部2軍監督(坂本、大城について)「ブランクもあって久々の実戦でしたが、しっかりヒットも打ち、走塁もできていたと思います。まずは明日の状態を見て、チェックしてからですね。万全の状態で1軍に上がってほしい」

 

◆今季の坂本 

1月の自主トレ中にインフルエンザB型を発症。独自調整のS班スタートだった2月の宮崎キャンプではインフルエンザA型を発症し、一時離脱した。第2クールの休日から練習を再開。沖縄キャンプ中の同16日、DeNAとのオープン戦で実戦に復帰した。

約2カ月間の個人調整期間中は順調に調整したが、5月下旬に受けた抗体検査で感染後に回復したことを示すIgG抗体が確認され、6月2日の西武との練習試合後にPCR検査を実施した。3日朝に陽性判定を受け、同じく陽性判定を受けた大城と入院した。

3日夜から3度のPCR検査で陰性と判定された。従来の厚労省の基準では、無症状の陽性判定者の退院基準は14日間だったが、陽性判定を受けた検体の採取から10日間とするなど退院基準が緩和され、12日夜に退院。13日からジャイアンツ球場で練習を再開した。