勢いづいた波に乗り、西武中村剛也内野手(36)が、勝ち越しアーチを描いた。3点を追う6回、山川穂高内野手の8号同点3ランで追いつくと、中村が3号ソロを放ち決勝打となった。カウント3-2。楽天塩見のフォーク攻めに「しっかりと頭に入れてやっていました。落ちなかったし、普通なら外に逃げていく軌道が多いけど、それがたまたま引っかかって内側にきたので、うまいこと振れましたね」。甘い球を見逃さなかった。

16日に記録した節目の300二塁打よりも、本塁打が何よりも好物だ。「300二塁打の中で“フェン直”は何本もあると思う。入っていればもうちょっとホームランを打ててた」。前日の301本目となる二塁打も、スタンドまであと数センチ。言葉の端々に代名詞への空腹感がにじみ出る。

同一カード6連戦も意に介さない。「別にそんなに。移動がなくて楽っちゃあ楽です」。西武一筋の19年目。所沢を拠点に、北海道から福岡まで移動を繰り返してきた中村にとって、移動が少ない6連戦はプラス材料にとらえている。今季の本塁打3本も、すべて6連戦の後半に打っている。

5日オリックス戦で死球を受けた右手首も完治。「明日勝って、勝ちこせるように頑張ります」。栗山とのベテランコンビで6、7番を担い、打線を支えていく。【栗田成芳】

◆西武打線のOPS 中軸から下が非常に強く、4~7番が攻撃力100オーバー。力を発揮し切れていない源田、外崎らの分をカバーしている。森を含め調子を上げていくはずで、やはり脅威。

▽西武辻監督(中村と栗山のコンビに) ベテランでありながら、本当に休ませられない。余裕があればいいんだろうけど、すごくいい働きをしてくれる。あと1日頑張って。