「ザ・キャッチ」が追い上げムードを断ち切った。阪神近本光司外野手が気迫のプレーでチームを鼓舞した。

「1番中堅」で先発すると、3回の守備だ。1死で2番坂倉の当たりは右中間深くへ飛んだ。近本は背走しながら打球を追う。ジャンピングキャッチでグラブにボールを収めた。勢い余ってフェンスに激突。しばらく起き上がれないほどだった。「しっかりボールを取ることの方が大事」。打球はしっかりとつかんでいた。その後もプレーを続行し、場内の阪神ファンだけでなく広島ファンからも拍手が送られた。

ビッグプレーだ。その直前には大山が勝ち越し打を放っていた。近本がキャッチできなければ、得点圏で広島のクリーンアップに打席が回っていた。「守備のいいプレーで流れを持ってくる機会は少ないですけど、しっかり自分のできることをやっていきたい」。矢野監督も「フェンス際っていうのは難しい部分があるけど、すごくいい反応をしてくれた」と称賛した。

9回2死三塁では俊足を生かして一塁への適時内野安打。貴重な5点目をもぎ取り、連続試合安打も8に伸ばした。8月の月間打率は4割1分2厘と絶好調。虎のリードオフマンが攻守で輝いた。【只松憲】