阪神ドラフト2位の井上広大外野手(18)が公式戦初の3安打で、隣接する球場で戦う母校の履正社にエールを届けた。ウエスタン・リーグのオリックス戦(オセアンBS)に「4番右翼」で出場し、先発のドラフト1位左腕の宮城から左翼フェンス直撃の二塁打など2安打、2番手鈴木からも1安打を放った。

オセアンBSの約400メートル先、客席からはスコアボードも見える大阪シティ信用金庫スタジアムでは、出身の履正社が高校野球大阪大会の「最終戦」となる準決勝を戦っていた。相手はライバル大阪桐蔭で、井上も1年から2年連続夏の大会で敗れた。先に試合を終えた先輩はウェブでのライブ中継を「ずっと見ていました」。井上の快音に後押しされるように、後輩たちは夏の大会で21年ぶりに宿敵を破って「大阪制覇」を果たした。

井上が4番として履正社を全国制覇に導いてから、早くも1年。新型コロナなどの問題もあり「あまり自分のやりたいこともできなかった時期が多かった。時間としては、早く感じたかなと思います」と振り返った。後輩たちの活躍もパワーに変えて、若き大砲はさらに打ち続ける。【奥田隼人】