古巣が、両手を広げた。楽天石井一久GM兼監督(47)が18日、ヤンキースからFAとなった田中将大投手(32)へラブコールを送った。仙台市内の球団事務所での監督・コーチ会議に出席。ヤ軍退団が濃厚となっている球団の功労者へ、日本復帰を決断した際は「ぜひとも仙台、東北でプレーしてほしい」とオファーを出す考えを示した。今後は現状整理、意思確認のため、田中側と接触することも明かした。

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球団史に数々の花を添えた功労者へ、最大級の敬意を払った。石井GM兼監督はヤ軍からFAとなった田中に関する質問に「まずアメリカの状況がどうなるか分からないので、そこは彼の気持ちを尊重、リスペクトして、いろんなことを考えてあげなければいけない」とおもんぱかった。続けて、唯一の古巣として復帰を歓迎する姿勢を示した。

石井GM兼監督 もし選択が日本ということになれば、もちろんうちが帰ってきてほしいと言わない理由はない。ぜひとも仙台で、また東北でプレーしてほしいなと思います。

コロナ禍で、田中を巡る展開は遅延している。MLBの今季の先行きは不透明。ヤ軍はラメーヒュー、クルバーなどの大補強を敢行し、田中の残留は厳しい状況。最近ではパドレスの調査も報道されるが、日本復帰も選択肢の1つに入る。

同GM兼監督も「アメリカで試合が行われるかも分からない状況の中で、まだ選手の移籍が非常に動きが少ない。状況を見ながら判断はしていきたい」とし「日本でプレーすることになれば、1番にうちがコンタクトをとるべき球団だと思ってる。この状況をどう思って決断するかという状況を把握していきたい」と今後、国内で自主トレ中の田中側との意思確認を重ね、日本復帰を決断した際は即座に正式オファーを出す考えを示した。

さまざまなケースを想定に入れている。今季のMLBの開幕延期、試合数減少などのイレギュラーな状況が起こった場合を考慮し、将来的なメジャー復帰を視野に入れた今季1年契約での日本でのプレーに関しても「柔軟に対応したいと思う」と検討対象としている。

球団創設3年目の07年から7年間で99勝。初のリーグ優勝、日本一をもたらし、アメリカでも結果を残し続ける右腕にリスペクトは尽きない。「楽天イーグルスにとって功績を残して、それだけのキャリアを積み重ねてきた選手。日本でプレーするという意思が田中投手にある時は、楽天がいかない理由は1つもないので」。東北の門戸は、常に開かれている。【桑原幹久】

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