早大・森田直哉投手(3年=早稲田佐賀)の選手生活ラストイヤーが始まった。

今年最初のオープン戦で、最少リードの8回から登板。テンポよく左腕を振った。2回をピシャリと抑え、社会人相手の1-0勝利を完成させた。「思い切りいこうと。2イニングを0で良かったです」と、晴れ晴れとした顔で話した。

大学で野球をやめる。昨年9月に決意したが、それまでは社会人で続けることを考え、夏にはENEOSの練習に参加した。だが、前向きな返事はもらえなかった。さらに、その後のオープン戦で対戦した際には1回2失点と苦戦。「あの時の印象が残っていました。その分、借りを返したかった」。野球を諦める踏ん切りをつけられた相手。この日は、しっかり投げきった。試合後、ENEOSの大久保監督から「ナイスピッチング!」と声を掛けられ、笑顔で頭を下げた。

現在は就職活動中だ。志望はテレビ局。「ずっとスポーツをやってきて、いろいろな出会いに恵まれました。魅力を伝えたい」。選手としては、泣いても、笑っても、今年が最後。「1年間、全力でやろうと思います」。小宮山監督は「素晴らしかった。リーグ戦でも、相当やってくれると思う」と期待を高めていた。