ソフトバンク上林誠知外野手(25)が、オープン戦1号となる決勝2ランを放った。宮崎キャンプからの実戦は全10試合連続安打で、打率は驚異の6割超え。ここ2年続けてシーズン打率1割台と苦しんだ男が、開幕右翼取りへ猛アピールを続けている。

2回2死二塁。中日勝野の内角高め直球に反応し、右翼席まで運んだ。「インコースを打てたのは練習の成果。インコースは悪い癖が出るとファウルになる。うまく肘をたためてスイングできた。しっかり内側から出せていたので、フェアに飛んでくれた。素直にうれしかった」。レベルアップの手応えを感じる一打に笑みがこぼれた。

21年の実戦成績は23打数14安打で、打率6割9厘はチームトップ。紅白戦に続く2本塁打もチーム最多だ。「自分は長打も持ち味だと思う。何かひとつにこだわらずに、すべてで高みを目指している」。外野争いは栗原や佐藤直、柳町ら若手を中心に、熾烈(しれつ)を極める。だが上林は「変な気負いなくできている。雑念が入ったら負け。毎日同じ気持ちでやることが結果につながる」と、自身のプレーに集中している。

かつて自主トレで師事し、ヤクルトに移籍した内川もこの日、巨人戦でオープン戦1号の本塁打を放った。「39歳ですか。負けてられないですね。シーズンが終わって、いい報告ができるようにしたい」と笑った。21年は上林にとってどんな1年になるのか。秋の姿が楽しみだ。【山本大地】

▽ソフトバンク二保(先発候補は2番手で3回1失点)「いいボールと悪いボールがハッキリしていた。結果を出していくしかないので、悔いのないよう全力でやっていきたい」

▽ソフトバンク真砂(途中出場で8回に右翼テラス席へ1号ソロ)「打ったのは外角低めの真っすぐ。追い込まれていましたが、逆方向を意識して食らいついていきました。外野争いが熾烈(しれつ)なので、割って入れるように結果を出していきたい」