いよいよだ。ロッテ佐々木朗希投手(19)が12日、中日とのオープン戦(ZOZOマリン)でプロ入り後初めて実戦登板する。中継ぎで1イニングを投げる予定になっている。

チケットはすでに完売済みで、当日券の販売予定もない。球場では5000人のファンがデビューを見守ることになる。雨も心配されるが、予報は落ち着いてきた。

19年4月、奈良県内のグラウンドで行われた高校日本代表候補合宿で、高校生史上最速の163キロをマークした。会場は非公表だった。NPB関係者、報道関係者以外では、歴史的1球を目撃した人は少ない。

大船渡高時代、公式戦の登板は岩手県内だけ。春や夏の大会には、首都圏をはじめ全国から駆けつけるファンもいたものの、大型駐車場のナンバーを見る限り9割近くが岩手県内からだった。東京・神宮球場で行われた高校日本代表壮行試合には2万8436人が訪れ、事実上の全国デビューになった。

その後は韓国・機張で行われたU18ワールドカップに登板したが、当時は日韓関係が不安定だったこともあり、日本から訪れるファンは100人に満たなかった。

プロ入り後も、佐々木朗のブルペン投球を生で見る機会は限られている。昨年石垣島キャンプでは最終日にプロ初のブルペン入りをし、球団関係者や報道関係者を含め約300人が目撃した。その後、2軍の浦和球場でブルペン入りする機会もあったが、新型コロナ拡大防止対策で球団関係者以外の観戦、練習見学は不可能になっている。

5日のシート打撃では最速152キロだった。まずは着実に、実戦マウンドに慣れていくことを優先する。それでも…いよいよのお披露目だ。前日11日には本人も「正直、今から少し緊張をしています」と初々しくコメントした。【金子真仁】