阪神は伝統の一戦を勝ち越し首位固め。DeNAは自力V消滅など、いろいろあった1週間。どのチームにも、キラリと光るプレーをみせた選手がいる。日刊スポーツの12球団担当記者が独断と偏見+愛情? で選んだ先週のチーム別MVPを紹介。セ・リーグ編です。

 ◇◇  ◇◇   

【阪神原口文仁捕手(29)&熊谷敬宥内野手(25)】「再現VTR」のような同点劇だった。13日中日戦、1点ビハインドの7回2死から代打原口が四球で出塁。代走熊谷が初球で二盗に成功し、1番近本の適時打で同点のホームを踏んだ。その2日前の11日中日戦でも、1点を追う7回2死から代打原口が内野安打で出塁。代走熊谷が初球で二盗を決め、2番糸原の適時打で同点のホームイン。走者なしという場面も、チームを救う活躍の仕方も全く同じ。“2人で二塁打”の大きな仕事ぶりだった。

【巨人・岡本和真内野手(24)】「巨人の4番」が持ち前の勝負強い打撃でチームをけん引している。12日DeNA戦では2点を追う9回2死の場面で起死回生の同点2ラン。16日阪神戦でも先制ソロを放った。開幕から14試合1発が出なかったが、徐々に本数を重ねて、リーグトップのヤクルト村上に2本差に迫る4位タイの9本とした。打点はリーグトップの35をマーク。元木ヘッドは「(岡本)和真は状態良い。良くなって来ている」と太鼓判を押す。昨季本塁打&打点の2冠王の若大将が4番にふさわしい打棒を披露している。

【ヤクルト小川泰弘投手(31)】ライアンが“マダックス”になった。15日中日戦(バンテリンドーム)で、9回を99球で3安打無失点。自身初めて100球以内の完封勝利を決めた。大リーグの名投手、グレッグ・マダックスが由来の快記録。NPBでも17年4月14日ソフトバンク戦の金子(オリックス)以来4年ぶり。ヤクルトでは15年8月11日広島戦の山中以来6年ぶりとなった。高校時代に愛知県選抜としてアメリカ遠征に参加した同学年の中日福谷との投げ合いを制しての好投。31歳の誕生日前日に、地元愛知で、エースらしい投球を見せつけた。

【広島・小園海斗内野手(20)】高卒3年目のホープが、レギュラーの座を奪いにかかっている。先週は5試合中2試合が雨天中止となったが、全3試合でヒットをマークして8打数4安打3打点と奮闘。14日DeNA戦は決勝打を放ちチームに22イニングぶりの得点を呼び、16日はプロ初の5番に座って2安打を記録した。4月22日の1軍昇格後、17試合連続でスタメン出場し、打率も3割6分と好調を維持している。

【中日谷元圭介投手(36)】チームとして勝利のない1週間で、ワンポイントなどで3試合に登板していずれも無安打無失点で2ホールドを挙げた。ここまで又吉の19試合に次ぎ、祖父江と並んでチーム2番目に多い18試合に登板して1敗6ホールド、防御率2・51。1軍投手陣で最年長の36歳はその存在感を際立たせている。日本ハムから移籍して5年目。中日加入後初の年間50試合登板と、残り31試合に迫った通算500試合登板に向けて今週も右腕を振る。

【DeNAネフタリ・ソト内野手(32)】「逆転本塁打」が2本あった。12日の巨人8回戦(横浜)では2-3で迎えた8回に右中間へ逆転2ランを放った。牧にも2者連続本塁打が出て2点リードで9回を迎えたが、抑えの三嶋が巨人岡本和に同点2ランを浴びた。16日の広島8回戦(マツダスタジアム)では0-2の7回に逆転3ランを打った。そこまで13安打で無得点だったチームに得点をもたらした。この試合は8回に登板した山崎が1点を失いドローとなったが、どちらの本塁打も貴重な一打だった。