“神の子”をアシストした。楽天岡島豪郎外野手(31)が決勝打を放ち、チームの連敗を7で止めた。1点を追う7回に西武渡辺から逆転の2点適時三塁打。3試合ぶりの安打を含む今季5度目の3安打猛打賞と躍動した。13年の日本一をともにした田中将の登板試合は打率3割5分超え。3勝目を挙げた右腕を三たび援護した。

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ツートンカラーのバットに、見えない力が宿った。7回1死一、三塁。岡島が食らいついた。1ストライクから西武渡辺の外角低め148キロ直球を、最後は右手一本で捉えた。打球はジャンプする二塁手の上を越え、右中間を破る。快足を飛ばした岡島が三塁へ滑り込み、一塁ベンチへ右拳を突き出した。「1点差だったし、まだまだチャンスあるなと思っていた。気持ち込めて入ったというよりも、本当に自然体で打席に入れた」。逆転打で、連敗中の重たい空気を一掃した。

三たび援護した。田中将の登板試合は34打数12安打、打率3割5分3厘、6打点、1本塁打と打ちまくる。右腕の1勝目は適時打、2勝目は2ランで援護。この日も逆転打で白星をもたらした。「どれくらい打っているか分からないので、みんなが投げている時にいっぱい打てるように頑張りたい」。13年のリーグ優勝、日本一をともにした1学年先輩が見せる勝利への執念に、バットで呼応する。

5月は月間打率3割9分8厘と好成績も、7連敗中は25打数5安打、打率2割と苦しんだ。それでも、普段と変わらぬ声を出し続け、やるべきことに徹し、活気を与え続けた。「みんなも苦しかったと思う。気持ちもナイーブになっていたところもあると思う。でも、どん底という感じではなかったし、変に落ち込みすぎることもなかった」と下は向かなかった。

チームは一夜にして2位に再浮上。11連勝と絶好調の首位オリックスを2ゲーム差で追う。「今日勝てたことは非常に大きかったと思うし、あさって以降に生きてくることだと思う。チーム全員で相手に立ち向かっていきたいと思います」。移動日を挟み、25日から仙台でソフトバンクと3連戦。困難を必ず力に変える。【桑原幹久】