ロッテ藤原恭大外野手(21)の色が存分に出た。1軍昇格当日に2番中堅でスタメン起用され、勝率5割復帰に貢献した。初回、いきなり楽天涌井の初球をレフト前へ強く運んだ。

「自分の持ち味はやっぱり初球から振っていくことですし、2軍にいる時もずっと鳥越監督に『初球からいけ』とか『ノースリーでも振っていけ』とずっと言われていたので」

盗塁を狙い一塁を飛び出したが、挟まれても果敢に走って二盗を成功させた。中村奨の適時打で生還すると2回、今度は正面からの低いライナー性の打球をダイビングキャッチ。8回にも初球を安打し、中村奨の逆転弾をお膳立てした。「気持ちで負けないように」。昨秋も1軍昇格して即活躍。メンタルの強さは健在だ。

プロ3年目。開幕スタメン出場も、打率1割6分1厘で4月末には1軍を離れた。2軍でもしばらくは内野ゴロを量産。福浦2軍ヘッドコーチとフォームを作り直した。「2軍でやっていたことが、そのまま今日は1軍で出たかなと思うので」。加藤が中日へ移籍し、高部が結果を出せない中、アグレッシブな走攻守で一発回答した。

混パで一進一退が続く。「若手らしく、思い切ったプレーを全力でやっていきたいと思います」。全力の末に「BLACK SUMMER WEEKEND」の黒いユニホームを泥だらけにし、差し色のミントグリーンには「かっこいいっすね。いい色です」と笑った。さわやかに鮮烈に、戻ってきた。【金子真仁】