日本ハム杉谷拳士内野手(30)が“故郷”でハッスルした。

5日、エキシビションマッチDeNA戦に、6回の守備から途中出場。1点を追う6回1死二塁の第1打席で同点の右越え適時二塁打を放った。チームはこの回に3得点で逆転に成功。杉谷の代名詞「魂」が、打線に火を付けた。

懐かしい風を感じながら、得点に絡む2安打を刻んだ。元プロボクサーでWBAフェザー級世界ランク1位の経験もある父満さんが、南茅部町(現函館市)出身。東京生まれの杉谷は、幼少期に函館を訪れ「野球を始める原点になった場所」と振り返る。住民が用意した段ボールいっぱいに詰まったグラブを使って、初めてキャッチボールしたのが父の故郷だった。

この日、親族が駆けつけていた中での活躍に「函館の杉谷一族にささげる一打です」とコメント。「いいところを見せられて良かった。4年ぶりの函館で今回、試合に出させてもらって、出番もあったのでシャカリキになって頑張っています!」と宣言。後ろを通った高橋打撃コーチから「大口たたくな」と一喝され「はい!」と、試合後も威勢の良さを見せていた。

前半戦は37試合で打率0割8分で、出場選手登録を抹消される悔しさを味わった。「やることは変わらないので、ハツラツとエネルギッシュに戦っていきたい。今こうやってファイターズで野球が出来ているので、何とか(函館に)恩返しが出来るように頑張っていきたいと思います」。反撃の後半戦は、函館パワーを充電した杉谷が、存在感を発揮するかも知れない。【田中彩友美】