ロッテが本拠地ZOZOマリンで通算1000勝目を挙げた。FA移籍で入団2年目の美馬学投手(34)が7回1失点でメモリアル白星を手にし、チームは今季3度目の5連勝。首位オリックスに1・5ゲーム差に迫った。92年4月7日の1勝目から始まり、通算1970試合目で節目の勝利。その大半を場内アナウンス担当で見守った球団職員・谷保恵美さんが、日刊スポーツに手記を寄せた。

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ファンの皆様に支えられ、ZOZOマリンでの1000勝を達成しました。何年か前から、あとどれくらい?…って足し算していました。92年からの職員も4人くらいいますが、最近よく当時のことを話します。

千葉ロッテマリーンズ、とすんなり言うのに慣れることから始まりました。今は長い球団名が普通ですが、当時は珍しくて。ピンクのユニホームは斬新でかわいくて、親しみがありました。ピンクのメガホンがたくさん広がって、すごい光景だなって思いました。職員全員に支給された当時のジャンパーは3年間着て、クリーニングに出して、今でも事務所のロッカーに掛けています。着ないんですけど、新人の頃の気持ちを思い出せるように。

思い出の試合はたくさんあります。94年の近鉄戦で野茂さんと小宮山さんが投げ合って、初芝さんのサヨナラ本塁打で勝った試合は特に、今でも鮮明に覚えています。

98年の18連敗の時も強いチームだったので、まさか18連敗とは。でもお客さんが一緒に頑張ろうって。「マリーンズが本当に好きだから♪」って応援歌の歌詞にもありますが、どんな時でも応援してくれるという方がどんどん増えていって。本当にありがたくて。あの出来事が一番の転機になったと思います。

ZOZOマリンが好きです。雨や風は大変ですが、外の空気を感じられるのはやっぱりいいですね。一番好きなのは、満月が見える日です。アナウンス室からもたまに見えるんです。満月がきれいに見える球場って、なかなかありません。

私自身もおかげさまで、マリーンズの1900試合以上にアナウンスで携われてきました。新人時代は、アナウンス担当じゃない日に、スタンドをうろうろして試合を見たこともあります。2000勝の日は、おばあちゃんになってスタンドでゆっくりと。マリン全部が見える、2階席から試合を眺めてみたいですね。(ロッテ球団職員・ZOZOマリン場内アナウンス担当)