体も目標もでっかく本塁打王! 広島からドラフト7位で指名された県岐阜商・高木翔斗捕手(18)が26日、岐阜市内の同校で指名あいさつを受けた。高校通算20発を誇る長距離砲で、未来の4番候補の期待がかかる。「打てる捕手」を目指し、プロの舞台に足を踏み入れる。

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高校生離れした大きな体格が、豊かな未来を感じさせる。身長188センチ、体重92キロの大型捕手。プロでの目標を問われると、高木は迷うことなくハキハキと答えた。

「ホームラン王を取れるような選手になりたい」

全国屈指の強豪・県岐阜商で2年から4番を務めた。高校通算20発で「広角に打てる打撃と、逆方向に伸びる打球が打てるのが自分の強みです」と言い切った。担当の松本スカウトは「リストが強くて、会沢みたいに勝負強く、右でも左でも、どこでもホームランが打てる。4番を打てるくらいの力は持っていると思う。相当期待している」と明かした。

「食トレ」で、強固な体を作り上げた。高校では下宿の1人暮らしで、近所でOBが経営する喫茶店「ベルエポック」に入学直後から朝・昼・晩と通い詰めた。「とにかくお米をたくさん食べるようにしています」と、1日で白米を最低2000グラム食べるノルマを課し、合宿中など多い時では2500~3000グラムを食べていた。入学時は81キロ程度だった体重も、大幅に増やした。プロ入り後も「食トレ」を続ける予定で「故障しない体が武器。体作りを第一にしたい」と、まだまだ満足してはいない。

小学校時代から捕手一筋でプレー。広島の若手では坂倉を筆頭に、石原、中村奨と「打てる捕手」のライバルが多いが「捕手一本で頑張っていきたい。自分の存在感をアピールできるようにやっていきたい」と捕手にこだわり、競争を勝ち抜く。

昨季で現役を引退した同校OBの石原慶幸氏は、長年正捕手としてチームを支えた。面識はないが「高校の大先輩の背中を追って、また追い越せるような選手になれるように頑張りたい」と気合。「捕手はグラウンドの中の監督。将来カープを引っ張っていけるような大きな選手になっていきたい」。野心あふれる若武者が「強打の捕手」を目指し、プロの門をたたく。【古財稜明】

◆高木翔斗(たかぎ・しょうと)2003年(平15)8月12日、岐阜県不破郡垂井町生まれ。府中小1年から伊吹クラブで野球を始め、6年時にはドラゴンズジュニアに選出。垂井町立北中では軟式の岐阜フェニックスに所属。県岐阜商では1年春からベンチ入り。188センチ、92キロ。右投げ右打ち。