楽天松井裕樹投手(25)はポストシーズン登板へ前進した。3日、楽天生命パークでのシート打撃に、CSメンバー入りの確認テストの場として登板。鈴木大地内野手(32)、田中和基外野手(27)、田中貴也捕手(29)の3人と対戦し、安打性の打球はなし。9球を投げ、最速は148キロだった。

「球数も少なかったので問題ない。シート打撃で100%を出すのは難しいですが、ある程度、強さはあったと思います」と振り返った。8月下旬に右太もも痛で登録抹消。レギュラーシーズンに戻ってくることはできなかったが、「投げるところ以外で、投球にアプローチをかけていけば、準備完了かなと思います」と、短期決戦の大一番で投げる気に満ちあふれていた。

離脱前まで43試合に登板し、0勝2敗、防御率0・63、24セーブと安定した成績を残していた。戦線に戻れば、接戦の重要局面を任せられることが見込まれる。この日は、マウンドを降りると、細部の修正に余念がなかった。ボールを受けた太田光捕手(25)のもとに向かい、話し込んだ。「どういう感じだった」とキャッチャー目線からの素直な意見を聞き、変化球などの感覚を擦り合わせた。

奪三振能力も高く、前にすら飛ばされたくない場面でも心強い。その存在の大きさは計り知れない。ただ、小山伸一郎投手コーチ(43)は「明日の状態もあります」とすぐさまCSメンバー入りの“合格”は出さなかった。リカバリーも考慮し、4日に最終判断をするとした。その上で「真っすぐの強さがあった。投げっぷりも相変わらずよかった。硬いマウンドの不安もなかった」と高く評価。このまま不調なく、ブルペン入れれば、中継ぎでの起用にも含みを持たせた。【上田悠太】