日刊スポーツ東北版で毎週1回、楽天情報をお届けする「週刊イーグルス」。今回は黒川史陽内野手(20)のインタビューをお届けします。智弁和歌山高から19年ドラフト2位でプロ入り。2年目の昨季は34試合に出場し、打率1割8分7厘、1本塁打、8打点。さらなる飛躍を狙う期待の若手に、自主トレで得た教訓や今季に懸ける思いなどを聞きました。【取材・構成=相沢孔志】

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-1日から始まったキャンプは1軍スタート

黒川 2月1日の1発目からアピールができるように「今年は黒川やれるな!」と首脳陣に思ってもらえるような入り方ができるように自主トレをやってきました。

-今オフの自主トレはどう過ごした

黒川 1年目のオフと一緒で、体の使い方をもっと勉強したいと思いましたので(DeNA)藤田(一也)さんのところでやらせていただきました。

-期間中に取り組んだことで印象に残ったことは

黒川 昨シーズンの後半からずっとトレーニングの部分で、体の面がうまくいかなかったところがありましたので、年間通してできるトレーニングを意識的にやりました。

-自主トレで得たものや生かしたいことは

黒川 (自主トレは)約16日間やりました。藤田さんは野球のことだけでなく、野球以外のことも教えてくれました。143試合の中でうまく体を使うことが、長く野球をやるためには大事だということ。無駄のないプレーができればケガも少なくなり、良いプレーもできることなどを教わりました。これからも継続していきたいと思います。

-プロ2年目の昨季を振り返ると

黒川 前半は自分の中でもすごくうまくいったと思います。開幕は2軍スタートでしたが、すぐに1軍に昇格して結果も出て、良い感じで終わることができました。後半はチャンスをもらったのですがうまくいかない部分が多かったです。1年間を通して良い結果を出したいと思っています。

-同期入団の武藤敦貴外野手(20)は開幕1軍スタート

黒川 同期の武藤が開幕1軍だったので焦る部分はありましたが、2軍でやるべきことをきっちりやっていたら、すぐに1軍に呼ばれました。どんな状況でも自分を持って、やるべきことを明確にしてやることが今年も大切になるかなと思います。

-6月は14試合に出場。プロ初本塁打も飛び出し、打率は3割1分3厘。好成績を残しました

黒川 打つことが自信になって、どんどん打てるようになりました。試合に出る期間が空いたり自分は毎回チャンスをもらえるわけではありません。その中で6月はけっこう打てて、チャンスをもらえたことが良かったのかなと思います。

-1年目は10試合出場。昨季は34試合と出場機会が増えた。新たな発見は

黒川 レギュラーの方々はどのようなケガをしていても絶対に試合に出るので、そういう体の強さは自分も身につけたいなと思いました。去年は1軍の試合がある時も2軍の試合に出たりと、いろいろなことをさせていただきましたが、1軍でやりたいという思いはさらに強くなりました。

-プロ入りから2年。苦労した面はあるか

黒川 高校は毎日が試合ではなく、プロは毎日試合があります。毎日続くので打てなかったら精神的にしんどいです。その面は今でも感じていますが、プロの世界でうまくいかないことばかりを考えていてもダメだなと去年感じました。

-今年で3年目。さらなる飛躍に必要なことは

黒川 一番は体のことだと思います。試合で打てなくて練習をするということをずっとやってきましたが、それ以上に1年間戦うためには体が大切だと学びました。体重や体の使い方の細かいトレーニング。調子が悪い時にそういったことが(不調を)戻してくれたのを実感できたので、そこは今年大事にしたいところではあります。

-今季の目標と意気込みは

黒川 とにかく、自分は打席に立ちたいので、目標は300打席です。去年は100打席にいかなくて80打席でした。300打席以上立って1軍の戦力になりたいという思いがすごく強いです。

◆黒川史陽(くろかわ・ふみや)2001年(平13)4月17日生まれ、奈良県出身。小学校入学前から河合フレンズで野球を始める。河合一中では泉州阪堺ボーイズに所属。智弁和歌山では1年夏から5季連続甲子園出場。19年ドラフト2位で楽天に入団。20年9月4日オリックス戦で初出場、初打席で犠飛を放ち初打点。21年6月4日広島戦でプロ初本塁打をマーク。182センチ、86キロ。右投げ左打ち。