日本ハムのドラフト3位・水野達稀内野手(21=JR四国)の、13年大谷以来となる球団新人野手開幕スタメンの可能性が高まった。西武とのオープン戦(ベルーナドーム)で“プロ初本塁打”を含む2安打をマーク。オープン戦打率3割7分5厘は、10打席以上立った野手でチームトップ、遊撃守備でも好守を披露し、新庄剛志監督(50)へ猛アピールが続いている。

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魅力が詰まった放物線だった。水野はフルスイングで描いた。5回先頭。サブマリンの与座の初球を右翼席へ“プロ初本塁打”となる1号ソロ。「初ホームランだったので…いつもは入っている感覚ですけど、余裕をかます暇がなかった…。入ってホッとしました」と、初々しく振り返った。2回は初球の甘いボールを見逃し、最後は空振り三振。「そういう悔いのある打席にしないように初球から思いっきりいこうと決めた」と迷いなく捉えた。

貪欲な姿勢も結果につながった。「この前近藤さんに、追い込まれてからのボールの待ち方を聞かせてもらった」。教わった極意を体現したのが、7回の二塁打。フルカウントから直球を左中間へ。「真っすぐを逆方向にはじけるポイントで、真っすぐ待ちの変化球対応だとおっしゃっていた」。オープン戦打率は3割7分5厘まで上昇した。

この日は近藤のアクシデントもあり、初回にいきなり中堅に回ったが、2回1死から遊撃へ戻ると安定した動きを披露。憧れの西武源田の守備もじっくり見て学んだ。「YouTubeでずっと研究してた人。実際に生で見てテンション上がりました。源田さんは送球につなげる動きがうまいです。捕りながら投げる準備ができているのが、さすが」と、打撃同様に貪欲に成長へのヒントを得た。

打って守れる即戦力ルーキーは、ドラフト直後から「やるからには開幕スタメン」と、言い続けてきた。「その目標が届く位置にはいると思います」と、手応えもある。ポジションは遊撃か二塁か、はたまた外野か。「ビッグボスの考えに付いていかないといけないので、いつでもどこでも守れる準備はしていこうと思っている」と頼もしい。BIGBOSSイズムも携えた水野は、13年大谷以来となる新人野手の開幕スタメンへと続くレールに乗った。【木下大輔】