29年ぶり開幕5連勝だ! 広島先発床田寛樹投手(27)が阪神戦(マツダスタジアム)に先発。7回を82球の省エネ投球で4安打無四球4奪三振1失点に抑えた。失点は5回先頭でロハスのソロ被弾のみ。それ以外は全ての回で先頭を抑え、テンポを生んだ。小気味の良い投球が打線にも好影響を与え、チームは6回に逆転。6連勝した93年以来の開幕5連勝を本拠地で果たした。

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床田はボールを捕手から返球されたかと思うと、もう振りかぶっている。打者に考えるヒマさえ与えない。テンポの良い投球で投手優位のカウントを組み立てた。打者24人と対戦し、初球ボールはわずかに8人。入りから全神経を注ぎ、1つ1つのアウトを積み重ねた。守備時間は7回で約32分。「テンポも良く、ストライク先行でいけた」。爽やかな投げっぷりに胸を張った。

チームの勢いが床田に快投をもたらした。試合前時点で開幕から4連勝。単独首位で今季初登板を迎えた。「乗っていけそう。良いときは良い流れに乗れるようにしたい」。背番号28にプレッシャーはなく、ただ流れに身を任せた。唯一の失点は6回。先頭のロハスにソロを浴びたシーンだ。カウント0-1からパームのサイン。低めの116キロは会沢の構えたあたりに投じられたが、うまく拾われた。左中間席最前列に運ばれた。「良い球だったがうまく手を伸ばされた。結果論だが、ボールでも良かった。接戦では1発が怖い」。以降は7回まで9者連続アウト。快投を見せつけた。

こだわりがないのが左腕のこだわりだ。選手によっては「靴をはくのは右足から」「負けるまで髪の毛は切らない」など、自己流のルーティンや験担ぎをする選手は多い。ところが床田にそれはない。「ルーティンとかに逆に縛られるのがイヤで…。これをしなきゃとか思って逆に苦しそうで」。何にも縛られないからこそ、連勝中のプレッシャーも感じにくかった。

これで2年連続で初登板を勝利で飾った。さらにチームは3試合連続の逆転勝利で93年(6連勝)以来の開幕5連勝。「去年は(登板)2戦目で勝ち負けがつかなかった。次も勝てるように粘って投げたい」。余韻に浸ることさえせず、早くも次戦を見据えた。【前山慎治】

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