ソフトバンクが02年以来20年ぶりの開幕6連勝を飾った。藤本博史監督(58)は72年中日の与那嶺監督、79年阪急の梶本監督に並び、新人監督の開幕連勝タイ記録となった。主軸の栗原陵矢外野手(25)が左膝負傷で離脱するというピンチだったが、チーム一丸で接戦を制した。

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「不動の5番」栗原が不在という苦境を、チーム一丸ではね返した。野手13人が出場した総力戦で、開幕から6戦連続で3点差以下となる接戦をものにした。藤本監督は「ほんとしんどい試合ですね。こんなしんどいと思わなかったね。こんな考えると思わなかったね。もうちょっと楽な試合やってほしいよね」と冗談交じりに振り返った。

柳田、甲斐とともに、昨秋から「レギュラー」と明言してきた栗原が負傷離脱。この日の診察で左膝前十字靱帯(じんたい)断裂、また、左外側半月板損傷の疑いと診断された。場合によっては今季中の復帰も危ぶまれる重傷だ。開幕から5番打者として、チームトップの2本塁打を打つなど欠かせない存在の1人だった。

出場選手登録を抹消した栗原に代わって、登録された柳町を即スタメン起用。2回にチーム初安打を放ち、3回には右翼フェンスにぶつかりながらの好捕を見せるなど、活気あるプレーを見せた。指揮官は「栗原の代わりと言ったらおかしいけど、戻ってくるまで、その間に結果を出してレギュラー取ってくれたら」と、若手のチャンスと前向きにとらえた。

空席となった「5番」には、好調の中村晃を起用。中村晃は3回、柳田が先制打を放った後に追加点となる適時二塁打。4打席に立ち2安打2四球で全打席出塁し、しっかりと役目を果たした。投手陣も大関がプロ初勝利、又吉が移籍初セーブを挙げるなどロッテ打線を封じた。

栗原離脱のショックにも負けず、チームは開幕からの連勝を伸ばした。藤本監督は「栗原が一番というかね、ベンチの中でよう元気出してね。自称、副キャプテンでやってくれていたのでね。それがけがでいなくなっても、ベンチはみんな声を出してくれている」と、チーム一丸の力を再確認した。【山本大地】

▼ソフトバンクが02年以来の開幕6連勝。新人監督の開幕6連勝は、72年与那嶺監督(中日)79年梶本監督(阪急)に次いで3人目のタイ記録だ。この6試合はすべて3点差以内で、森が4S、モイネロが1S、又吉が1S。オール3点差以内の開幕6連勝は60年中日、63年中日(1分け挟む)に次いで3度目となり、パ・リーグでは初。6試合すべてセーブが付いた開幕6連勝はプロ野球史上初めてで、ソフトバンクが接戦をものにして連勝を伸ばしている。

 

▽ソフトバンク中村晃(自主トレで栗原の師匠。今季初の5番起用で2安打2四球の活躍)「1打席1打席、集中して入れている」

▽ソフトバンク牧原大(8回代打で貴重な追加点となる左前タイムリー)「代打だったので、とにかく思い切っていこうと。追い込まれてからは、コンタクトしようと意識を変えました。最後はフォークについていくことができ、うまく捉えることができた」

▽ソフトバンク柳田(3回、先制の中前打)「打ったのはツーシームかな。いいところに飛んでくれた。とにかく先制点をあげることができて良かった」