ロッテ佐々木朗希投手(20)がプロ野球28年ぶりの完全試合を達成した。94年5月18日に巨人槙原寛己が広島戦で達成して以来、21世紀初の快挙で、20歳5カ月での達成は史上最年少記録となった。

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また1試合19奪三振は、95年のオリックス野田浩司と並ぶ日本記録。テレビの前で全投球を見届けた野田氏は「圧巻のピッチングを見せられましたね」とため息。その後「いや、もう、ボールがすごいです。まっすぐがすごいし、フォークも素晴らしい。ベースの上でワンバウンドしたフォークではなく、ベース板を外れたフォークにでも打者が飛びついて振りにいってしまっている。それもあのストレートがあるからですよ。タイミングを早めに取らないと、合わせることができない。ほぼ2つの球種で完全試合をやりとげましたね」と感嘆の言葉が続いた。

実は、予感があったという。「少し前、解説の仕事で球場に行ってだれかと話していたとき『たぶん、佐々木君におれ(の三振記録)は抜かれるよ』と話していたんです」と明かした。3年目を迎えた右腕の今季の充実をテレビ越しに見るたび、そんな思いが胸にふくらんでいた。

ただ「今の野球は、球数をたくさん投げない。球数がかさむと交代になるから、そういう意味では厳しいかなとも思っていました。しかし今日の投球なら、球数もいかない。いい当たりすらなかったですよね」と驚嘆。中でも、完投を目指す投手にとって体力的には胸突き八丁のイニングになる8回に「3者連続三振なんて、すごいとしか言いようがない」とため息をついた。

野田氏も27年前の4月21日、同じ千葉マリン(当時)で日本記録を達成した。「今回も千葉が舞台になりましたね…。確かにオリックスは本来の打順を組めてはいないけれど」と新型コロナウイルス感染者続出に苦しむ古巣の現状を理解しながらも「今日の佐々木君の投球なら、相手がどのチームでも大苦戦したと思います。まだ3年目…。でも投球は完成形に近づいている。ここからどれだけの記録をつくるのか、想像がつかないですね」と未来に思いをはせた。

 

◆野田の19奪三振 95年4月21日、千葉マリン(現ZOZOマリン)でのロッテ戦で先発全員から毎回の19三振。阪急足立や自身が持っていた1試合の奪三振記録を更新した。風速8メートルを超える強風が、球場のスタンドに当たってマウンド上では向かい風になり、空気抵抗を受けたフォークが微妙に左右に曲がって落ち、19個のうち13個をフォークで奪った。野田は1-1の同点のまま9回で降板。延長10回に2番手の平井が打たれサヨナラ負けした。