もう「代役」ではない。阪神小川一平投手(24)が7回2安打無失点の力投で先発ローテーション定着へ大きくアピールした。今季4度目の先発マウンドは、初回からエンジン全開だった。カーブをうまく交えながら1回をテンポよく3者凡退に抑えると、勢いに乗った。7回無死一、二塁で4番牧を併殺にしとめるなど集中力を切らさなかった。

【ニッカン式スコア】20日のDeNA-阪神戦詳細スコア

「ストライク先行でいけて、自分のペースで投げられたから、最長イニングを投げられたことにつながったのかな、と。1回1回、1人1人に集中して投げたのがよかった」

プロ最長7回を投げ、許した安打はわずか2本。プロ2勝目はお預けとなったが、堂々の投球だった。

突然巡ってきたチャンスを逃さなかった。開幕直前に青柳のコロナ感染の影響により、初めて開幕ローテーションに入った。3月26日ヤクルト戦でプロ初先発した後は、他の先発陣との兼ね合いで中継ぎに配置転換。しかし伊藤将、藤浪が新型コロナ陽性判定で離脱。再び代役として13日中日戦で緊急先発し、5回途中無失点と力投した。役割が二転三転する状況にも対応。「中(継ぎ)をやっていた分、先発がイニングを食ってくれるのはすごくありがたい。どっちも経験しているのは自分の中でプラスなので」と前向きな姿勢で結果を残した。

開幕からチームは勝ちが遠のいているが、青柳や来日初登板で初勝利を挙げたウィルカーソンら先発陣は整いつつある。矢野監督は「素晴らしかった。緩急も使えているし、右バッターの内角にも投げられるから、内容のある投球だった」と3年目右腕の投球を高く評価。代役の小川が先発の定位置を任せられる力を証明した。【三宅ひとみ】