広島は、巨人6回戦(東京ドーム)で2戦連続の逆転負けを喫し、今季最長4連敗で3位に転落した。先発遠藤が4回3被弾を含む6失点と乱調。守備のミスもあった。4回まで4得点の打線も、再逆転された5回以降は勢いが完全に止まった。佐々岡真司監督(54)はナインに、開幕直後のような反発力を求めた。

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お立ち台に上がった選手の喜びの声が漏れ聞こえる東京ドーム通路、広島ナインの足取りは重かった。巨人得意の空中戦の前に屈した。2度リードしながら、いずれも直後に逆転を許して、流れを失った。5回以降はわずか1安打。反撃ムードすらつくれなかった。首位で乗り込んだ東京ドームで今季2度目の同一カード3連敗。今季最長4連敗で3位となり、広島に戻ることとなった。「開幕前の気持ちを持って全員で戦う。こういうときこそ、みんなで。試合に出ている選手も、ベンチにいる選手も声を出して元気よく。そこを失ったらダメだと思う」。佐々岡監督は選手の尻をたたくように言葉を吐いた。

中10日で先発した遠藤は変化球をうまく操れなかった。2点先制直後の2回は先頭岡本にソロ、ウォーカーに2ランを被弾。いずれもチェンジアップをとらえられた。打線が逆転した4回は先頭丸にスライダーを右翼へ運ばれ同点。味方の失策から招いた2死二、三塁では、この日の生命線だった真っすぐを痛打された。

4連敗中、3試合は先発投手が5回以下で降板となった。開幕ダッシュを支えた先発陣が崩れ、4試合で3失策と守備のほころびも見られる。巨人打線のような一発長打に欠く打線だけに、打撃戦ではなく、投手戦に持ち込まなければ勝機は遠のく。

佐々岡監督は掲げた野球ができていない戦いに「巨人相手に隙を見せると、こういう展開になる」と投手を含めた守備面の引き締めを促した。まだ22試合を消化したばかり。4連敗で3位転落も、高い授業料とは言い切れない。開幕ダッシュの広島にあったのは、反発力。今こそ「やっちゃろうや!」の気持ちが必要だ。【前原淳】