コロナ禍に苦しむオリックスで、昇格即スタメン起用された大城滉二内野手(28)が、連敗脱出に貢献した。2点リードの3回無死から追加点となる今季1号ソロを左翼席へ。カウント3-2から日本ハム加藤の内角138キロ直球を捉え「(感触は)完璧でした! いい感じでバットも振れています」と連敗を7で止める一撃に、充実の表情だった。

チームは主砲の吉田正らコロナ感染による離脱者が相次ぐ。大城は4月29日に特列2022代替選手として1軍に今季初昇格。今月8日に出場選手登録を抹消され、2軍戦に出場したが、15年ドラフト同期の吉田正らの離脱によって、再びその夜に札幌行きの荷物をまとめ、1軍の舞台へと帰ってきた。

今季初の先発出場。ギプスを装着した右足で1歩ずつ進んできた。昨年8月8日DeNAとのエキシビションマッチの守備で一塁のベースカバーに入った際、負傷。担架で運ばれ、精密検査を行い「右膝前十字靱帯(じんたい)損傷」の診断を受けた。

緊急手術後、2週間の入院生活。病室でナイター中継を見る日々。「(優勝争いの)そこに立てない、挑戦できない自分がいた。応援することしかできなかった。でも、僕の居場所とか関係なく…本気で『みんな頑張れ』と思えた」。焦る気持ちを抑え、今季の復帰に照準を定めた。退院後は松葉づえをバットに見立て、グラウンドで躍動する自身を思い描いてきた。

この日もチームは大量得点とはいかず、29試合連続4得点以下。それでも初回から重盗を仕掛けて得点するなど、懸命に苦境打開に取り組んできた中での白星が何より意味を持つ。スタメン野手の平均年齢が24・1歳というオーダーでつかんだ5月初勝利。もぎとった1勝を好転へのきっかけにしたい。【真柴健】

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