3年ぶりとなる凱旋(がいせん)試合の主役は譲らない。西武山川穂高内野手(30)は16日、ソフトバンク2連戦(沖縄セルラー那覇)に向けて沖縄入りした。17日は同郷のソフトバンク東浜巨投手(31)が先発。前回登板でノーヒットノーランをくらったリベンジの舞台にもなる。沖縄の本土復帰50周年の節目でもあり、より強く平和への思いも胸にグラウンドに立つ。

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19年以来となる沖縄開催は、リベンジマッチにもなる。山川は11日に無安打無得点の屈辱を味わったソフトバンク東浜との再戦へ向け「投手が誰であってもタイミングを合わせて振るだけ。それだけ」。普段通りの意識で打席に向かう。

中部商時代まで沖縄で過ごした。3年前、今回と同じ沖縄セルラースタジアム那覇で行われた凱旋試合では、大声援と指笛の中、左翼スタンドにアーチをかけた。生涯最高の1発として脳裏に刻まれる。多くの友人を招待し、「俺、明日打つよ」と宣言した通りの結果を残した。「あの時と同じホームランは打てません。あのホームランが人生で最高のホームラン。あれを超えるものは今後ないと思います」。自然と全身から鳥肌が立つ、そんな興奮はあの一打以来ないが、今回も感動を、スタンドのファンへ届ける。

平和を願う気持ちも胸に、野球と向き合う。15日には沖縄復帰から50年の節目を迎えた。首里城再建の寄付もしている山川は「戦争で負けてたくさんの人が苦しい思いをして、今の沖縄がある。少しでもいいから、そのことを頭に入れて日々を過ごして欲しいですし、未来につないでいくべきだと思います」。戦争は過去の話ではない。ロシアがウクライナに軍事侵攻する現状にも心が痛む。「今の平和があるのは当たり前じゃない。こういう機会にかみしめるのが大事だと思います」と言葉をつむいだ。【上田悠太】

 

▽西武辻監督(東浜との再戦に)今回はノーヒットノーランはないと思う。しっかり対策を練っていきます。

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