8月は背番号26にお任せ! 阪神北條史也内野手(28)が決勝の勝ち越し犠飛で長期ロード白星発進に貢献した。3-3で迎えた7回1死二、三塁。先発青柳に代わる代打で登場。この回無得点なら、青柳の12勝目がお預けになった場面でしっかり結果を出した。

「僕で点が入らなかったら、点が入る確率はだんだん減っていく。めっちゃいい場面で出してもらったんで、何とかしたい気持ちは強かったです」

巨人左腕のメルセデスに追い込まれたが変化球に反応。犠飛を中堅に上げ、勝ち越しの1点を奪った。「ヤギさんが粘ってくれていたので、絶対に勝ちをつけたいと思っていました」。笑顔でベンチに戻ると、青柳とも会心の笑顔でハイタッチを交わした。

夏男だ。プロ10年目。7月29日の誕生日を経て迎える8月は、打率2割9分3厘で月別最高成績を残している。しかも相手が左腕となればいただきだ。7月15日の中日戦(甲子園)では左腕の上田から決勝1号2ランを放つなど7打点中、6打点が左投手から。この日も矢野監督の期待に応え、キラーぶりを発揮した。

7回は先頭糸原が安打で出塁。矢野監督は代走熊谷を送り、敵失と犠打で三進していた。その熊谷は打った瞬間、1度飛び出したが、好判断で素早く帰塁。全速力でヘッドスライディングの生還を決めた。「めっちゃ中途半端なフライになってやばいって。だから熊谷に感謝しています。熊谷ありがとう」。背番号4への感謝も忘れなかった。

今季2度のV打点はいずれも青柳の先発時で「相性いいですね」と笑顔。そしてネバーギブアップを宣言した。「全然、優勝を諦めていないですし、ヤクルトをつぶすために、全部勝つ気持ちでやっていきます」。ライバルはこの日も勝って10差は変わらないが、食らいつくのみだ。ムードメーカーがチームの勢いを加速させる。【三宅ひとみ】

▼北條が今季2度目の勝利打点を挙げた。7月15日中日戦(甲子園)で上田から逆転2ランを放って以来で、このときは「7番一塁」で先発出場し、代打でのV打点は今季初となった。

▼今季青柳が登板した試合で、北條は4打数1安打、1本塁打、3打点と援護している。2度のV打点では、いずれも青柳に白星をプレゼント。7月15日は青柳が初回に失点したが、2回に北條が逆転2ラン。8月2日は青柳の代打で勝ち越しの中犠飛で援護した。

▼北條は月別の通算成績で8月が最も成績が良い。打率2割9分3厘は、次いで高い7月の2割5分8厘を大きく上回る。安打数、本塁打数、打点でも月別でトップの数字をたたき出している。

○…梅野が勝負を決定づける2点タイムリーを放った。1点リードの9回1死二、三塁で桜井から右前に2点タイムリー。「必死に食らいついて、最高にいいところに落ちてくれた」と会心だった。同点の7回にはスリーバントで犠打を成功させ、北條の決勝犠飛につなげた。無死一、二塁で2度失敗して追い込まれたが、高め直球を投手前へ転がした。「とにかく気持ちでやった。結果として決められたことが大きい」とホッとした表情だった。

○…島田が苦手の左投手から適時打を含む2安打で勝利に貢献した。1点リードの3回2死三塁は、先発メルセデスから中前にタイムリー。1点ビハインドで迎えた6回は先頭でメルセデスの初球を右前へ。佐藤輝の左前安打で二塁から同点のホームを踏み「島田さんがよく走ってくれました。ありがとうなぎ」と「うなぎ」のニックネームを交えて好走塁を感謝された。1割台だった対左投手の打率は2割3厘まで上昇。左も克服して常時出場を狙う。

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