日本ハム新庄剛志監督(50)は、信じていた。4-3の7回無死満塁。しびれる場面でマウンドに送ったのは、7月31日の楽天戦(楽天生命パーク)で辛酸をなめたばかりの井口だった。前回の失敗をはね返すと、信じていた。「マウンドで自分のオーラを出せている。期待が高まるピッチャー」と、迷いはなかった。

3番手で救援した2日前、4点差をひっくり返されての逆転負けは、井口の失点から始まった。「それの今日(の登板)だったので『死んだ』と思いました。もう、やるしかないかなって」と井口。覚悟を決め「前回のやられ方が、すごく頭にあった。3、4番の2人に長打を打たれるのだけは絶対にしないようにと」。東農大北海道の後輩、ソフトバンク周東にこそ犠飛を許したが、続く3番柳田、4番デスパイネは、粘り強く低めを突いて空振り三振に仕留めた。

井口の鬼気迫るリベンジ投球に、ベンチのBIGBOSSは山田バッテリコーチに抱きついて大はしゃぎ。ハラハラ、ドキドキ。僅差の試合を制した指揮官は「今シーズン、たぶん毎回こんなゲームじゃないの? 激ヤセしてしまうわ(笑い)」。救援陣が踏ん張って1点差で逃げ切り、ソフトバンクに5連勝だ。【中島宙恵】

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