「筑後ホークス」の勢いが止まらない。

ソフトバンク増田珠内野手(23)は二塁ベース上で右手を突き上げた。2回1死一、二塁。今季4勝を許している天敵とも言える日本ハム伊藤の、カウント2-2からの144キロのツーシーム。内角に入ってくる球を思い切り振り抜いた。打球は左翼線への先制の2点適時打。決勝打にもなった。「うまく体が反応してくれた。僕は1日1日、1打席1打席が勝負なんで。打てなかったら(2軍に)落とされる立場。チャンスをいかして先制することができて良かった」。敵失もありさらに1点を加えると、5回にはデスパイネの2点適時二塁打、5番野村大の右翼越え二塁打で3点を加え、5回で伊藤をKOした。

柳田、周東、牧原大、三森…。主力が新型コロナ感染で離脱する中、5年目の増田や谷川原、正木ら代役起用の「若鷹」たちの存在感は日増しに強まってきた。増田は25日の楽天戦(楽天生命パーク)では初回に左犠飛。24日にも適時打を放っており、これで3戦連続打点。「一緒に(ファームの本拠地)筑後でやってきたメンバーが活躍している。負けないようにという思いでやっています」。

同学年には最年少150本塁打を達成したヤクルト村上がいる。今や「球界の主砲」として活躍する同期には及ばないものの、厳しいV戦線の中で「代役」から「主役」へ向け、さらに輝きを増すつもりだ。「チームの力になれるように、1軍にしがみついていきたい」と力を込めた。

打線は先発全員安打で2ケタ得点を挙げ、5連敗中だった敵地・北海道で大勝。「増田は勝負強くなっているし、2回の3点が一番大きかった」。藤本監督は野村大、谷川原、増田とつないだ先制の場面を振り返って称賛した。試練の8月戦線、「若い力」がチームの推進力となってきた。【佐竹英治】

◆増田珠(ますだ・しゅう)1999年(平11)5月21日、長崎市生まれ。横浜では2年夏、3年夏に甲子園出場。高校通算33本塁打。17年ドラフト3位でソフトバンク入団。19年9月28日オリックス戦でプロ初出場。同年オフに右手首を手術し、20年8月に実戦復帰。22年7月17日ロッテ戦でプロ初本塁打を記録した。179センチ、83キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸660万円。

○…3年目の海野隆司捕手がうれしいプロ初本塁打を放った。9点リードの9回2死で代打で登場。日本ハム北山から左越えにソロを運んだ。「とにかく自分のスイングをすることだけを考えて打席に入りました。最高の結果となって良かったです。やはりホームランはうれしいですね」。今季はすでに自己最多35試合目の出場。守備面で存在感を見せていたが、バットでもアピールした。

▽ソフトバンク・デスパイネ(5回に追加点となる2点適時二塁打) 絶対にランナーをかえそうと打席に入った。高い集中力で打つことができたよ。

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